佐藤享は懲戒免職処分
2011年5月上旬、16才の少女に淫らな性行為を働いたとして、東御市青少年健全育成条例第24条違反で長野県警小諸警察署に逮捕され罰金刑を受けた、上田市吉田在住、県職・東御市立東部中学校教諭・佐藤享(あきら)(35)が、懲戒免職処分となった。
佐藤享について、私は、2012年5月10日(木)に、以下のような文面で、義務教育課を追及した。
Subject:佐藤享の件
Date:Thu, 10 May 2012 11:13:02 +0900
From:藤井深<hyonmoku@ap-lan.com>
To:義務教育課<gimukyo@pref.nagano.lg.jp>
2011年5月上旬、16才の少女に淫らな性行為を働いたとして、東御市青少年健全育成条例第24条違反で長野県警小諸警察署逮捕された上田市吉田在住、県職東御市立東部中学校教諭・佐藤享(あきら)容疑者(35)は、30万円以下の罰金を支払い、釈放されたと聞いている。
義務教育課管理課は彼に対して、どのような処分を行い、かつ、県民に対してどのような謝罪を行ったのか、お聞かせ願いたい。
この文面は、本日付けで、ネットに配信され、返答の無き場合には、その旨配信する。
この質問に対して、義務教育課は、午後9時29分25秒付けで、以下のように回答してきた。
Subject:佐藤享教諭の処分について回答いたします
Date:Thu, 10 May 2012 21:29:25 +0900
From:義務教育課<gimukyo@pref.nagano.lg.jp>
To:hyonmoku@ap-lan.com
長野県教育委員会事務局義務教育課・笠原千俊と申します。
お寄せいただきました東御市立東部中学校 佐藤 享教諭の処分に関するご質問についてお答えいたします。
同教諭の処分については、現在所定の手続きに従って処分の内容検討をしております。
処分はその内容が決定した後に行う予定です。
なお長野県民の皆様に向け、平成24年3月28日(水)付けで、長野県教育委員長の「本日、現職の公立学校教諭が、東御市青少年健全育成条例(第24条第1項)違反で逮捕されたことは、あってはならない不祥事であり、誠に遺憾であります。今後、事実を確認の上、厳正に対処いたします」との言葉を公表しております。
以上回答とさせていただきますが、なにかご不明な点がございましたら、長野県教育委員会事務局義務教育課管理係・伊藤文(直通電話 026-235-7426 FAX026-235-7494Eメール gimukyo@pref.nagano.lg.jp)までご連絡をお願いいたします。
平成24年5月10日 義務教育課長 笠原千俊
***********************************
義務教育課 管理係(課長)笠原 千俊
(担当)伊藤 文
直通電話 026-235-7426
県庁内線 4338
ファクシミリ 026 - 235 - 7494
E-mail:gimukyo@pref.nagano.lg.jp
***********************************
そして、一週間後の本日、2012年5月17日(木)の県教育委員会で、佐藤享を懲戒免職処分にしたと、NHK長野が、イブニング信州で報道した。
しかし、本日の委員会では、残る県職高校教諭と迷惑条例違反で逮捕された教頭の処分は検討されなかったようで、NHK長野は一言も触れなかった。私は、即座に、NHK長野に電話して、抗議した。三人の事件を巡って会議が開かれたのに、一人だけ処分して、残りは無罪放免で、教職に止まらせることになったのか否か、ハッキリ報道すべきだった、と。
私は、この三名を敵視する立場は取らない。
しかし、問題の発端を与えた限りは、一端は、厳しい処分を下し、教職から排除するのが、生徒とその保護者及び県民感情と一致する。
二度とあってはならない事案であるからである。
委員会では、人事のあり方などについて、第三者委員会を結成して検討するとか言っていたが、そういう問題ではなく、私は、三人が、何故、このような破廉恥な行為をしてしまったのか、原因を明らかにし、事件を起こした三人に問題を矮小化させるのではなく、長野県の教育に携わる教育者全般のあり方を問う機会にして欲しいと考えている。
私は、私自身が、学童保育の指導員と大学教員の経験を持つ歴史から、子供なり生徒なり学生なりと接する人間は、極めて高度な人間性が要求されると考える。従って、それに伴い、身分保証も高くなければならないし、労働条件も恵まれていなければならない。
日本の現状だけを見ていては、決して問題の解決方法は見いだせない。
北欧では、一学級20人は当然で、しかも、担任の教師が三人いる国もある。フィンランドでは、教師になるためには、大学院の修士課程を終了しなければならず、しかも、研修過程での厳しい指導を乗り越えなければならない。
そういう意味で、民間企業以上に過労死寸前で仕事をこなしている教師が、鬱病になったり自殺したり辞職したり、塾の先生に鞍替えしたり、するのも当然のことである。
教師になる可能性は大きくなっているのにあまりにも仕事が厳しすぎて民間企業を選択する教育大学の学生も多い。
だから、私は、むしろ、三人に、同情している。しかし、問題の解決方法が間違っている。
私を育てた学童保育の父母に高校教師と小学校教師の夫婦がいた。夫が高校教師で妻が小学校教師であった。共働きであったから、お金はあったが、彼ら二人とも、日本共産党員であったから、組合活動にも忙しく、とにかく、家の中は汚かった(笑)。子供とも接する時間は少なく、夫は、せっかく作った食事を食べない息子にイライラしたと言っていた。しかし、娘と息子の二人の子供は、すくすくと育った。娘は、毎日のように、私の膝の上に乗って、お喋りをし、学童保育のリーダーの役割を果たしてくれた。妻は、小学校教師であったが、息子の入学式に出席した。分かるかな(笑)。職場放棄して有給を取り息子の門出を祝ったのであるが、それが職場で、どんな意味を持つか(笑)。可愛い顔して平気で校長に文句を言う度胸が彼女にはあったし、組合があった。娘にも可愛い服を着せたが、私は、構わず、山登りをさせ泥だらけにしてしまった。むしろ、そういう保育を望んでいた。
つまり、過重な労働を強制されている現実を変える方向にエネルギーを使うのか、それとも、そこから逃げる方向にエネルギーを使うのか、ここで、三人は、間違ったのである。
疲労の極にある時、人間の本性が現れる。学童保育の夏は地獄の夏で、私は、何度も、自分の本性を見せられた。そして、それを乗り越え、成長し、子供とその親を理解し、運動と組織を理解し、娘の誕生に伴う精神状態の安定をきっかけに、何の目処もなく、仕事を辞めた。
教育に生き甲斐を見いだせない人間は、教育者であってはならない。
大学でも、教育者たることを要求されたが、私は、大学では、学生は、自ら学ぶべきだと信じていたから、学生が、高校の先生のように、手に手を取って教えてくれと要求しても、応じなかった。
冷たい対応だったかもしれないし、卒業した後、文化祭にやってきた彼女と目が合ったが、社会に出てみて、私の対応が正しかったか、それとも、間違いだったか、その目は語らなかったが、私は、自分の子供にも、18歳になったら、大人になることを強要し、家を追い出した。
それが、大学での教育者のあり方だと考えていた。しかし、大学は、それを許さなかった。
そして、苛めが起こり、村八分が起こり、7年の歳月が無駄に流れ、短大は、潰れた(笑)。
私は、大学に来るためには、一定の資格が必要だと思う。日本のように、私学が乱立し、無能な学生が、大卒の資格を得るためにのみ、高い授業料を親に払って貰って、やってくる現状は、異常そのものである。
何のために大学に行くのか、考えない。何のために生きるのか、考えない。何のために働くのか、考えない。
そういう若者を大量生産したら、折角入社させても、すぐに辞めるのは当然のことである。
2012年5月17日(木)午後8時20分26秒
佐藤享について、私は、2012年5月10日(木)に、以下のような文面で、義務教育課を追及した。
Subject:佐藤享の件
Date:Thu, 10 May 2012 11:13:02 +0900
From:藤井深<hyonmoku@ap-lan.com>
To:義務教育課<gimukyo@pref.nagano.lg.jp>
2011年5月上旬、16才の少女に淫らな性行為を働いたとして、東御市青少年健全育成条例第24条違反で長野県警小諸警察署逮捕された上田市吉田在住、県職東御市立東部中学校教諭・佐藤享(あきら)容疑者(35)は、30万円以下の罰金を支払い、釈放されたと聞いている。
義務教育課管理課は彼に対して、どのような処分を行い、かつ、県民に対してどのような謝罪を行ったのか、お聞かせ願いたい。
この文面は、本日付けで、ネットに配信され、返答の無き場合には、その旨配信する。
この質問に対して、義務教育課は、午後9時29分25秒付けで、以下のように回答してきた。
Subject:佐藤享教諭の処分について回答いたします
Date:Thu, 10 May 2012 21:29:25 +0900
From:義務教育課<gimukyo@pref.nagano.lg.jp>
To:hyonmoku@ap-lan.com
長野県教育委員会事務局義務教育課・笠原千俊と申します。
お寄せいただきました東御市立東部中学校 佐藤 享教諭の処分に関するご質問についてお答えいたします。
同教諭の処分については、現在所定の手続きに従って処分の内容検討をしております。
処分はその内容が決定した後に行う予定です。
なお長野県民の皆様に向け、平成24年3月28日(水)付けで、長野県教育委員長の「本日、現職の公立学校教諭が、東御市青少年健全育成条例(第24条第1項)違反で逮捕されたことは、あってはならない不祥事であり、誠に遺憾であります。今後、事実を確認の上、厳正に対処いたします」との言葉を公表しております。
以上回答とさせていただきますが、なにかご不明な点がございましたら、長野県教育委員会事務局義務教育課管理係・伊藤文(直通電話 026-235-7426 FAX026-235-7494Eメール gimukyo@pref.nagano.lg.jp)までご連絡をお願いいたします。
平成24年5月10日 義務教育課長 笠原千俊
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義務教育課 管理係(課長)笠原 千俊
(担当)伊藤 文
直通電話 026-235-7426
県庁内線 4338
ファクシミリ 026 - 235 - 7494
E-mail:gimukyo@pref.nagano.lg.jp
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そして、一週間後の本日、2012年5月17日(木)の県教育委員会で、佐藤享を懲戒免職処分にしたと、NHK長野が、イブニング信州で報道した。
しかし、本日の委員会では、残る県職高校教諭と迷惑条例違反で逮捕された教頭の処分は検討されなかったようで、NHK長野は一言も触れなかった。私は、即座に、NHK長野に電話して、抗議した。三人の事件を巡って会議が開かれたのに、一人だけ処分して、残りは無罪放免で、教職に止まらせることになったのか否か、ハッキリ報道すべきだった、と。
私は、この三名を敵視する立場は取らない。
しかし、問題の発端を与えた限りは、一端は、厳しい処分を下し、教職から排除するのが、生徒とその保護者及び県民感情と一致する。
二度とあってはならない事案であるからである。
委員会では、人事のあり方などについて、第三者委員会を結成して検討するとか言っていたが、そういう問題ではなく、私は、三人が、何故、このような破廉恥な行為をしてしまったのか、原因を明らかにし、事件を起こした三人に問題を矮小化させるのではなく、長野県の教育に携わる教育者全般のあり方を問う機会にして欲しいと考えている。
私は、私自身が、学童保育の指導員と大学教員の経験を持つ歴史から、子供なり生徒なり学生なりと接する人間は、極めて高度な人間性が要求されると考える。従って、それに伴い、身分保証も高くなければならないし、労働条件も恵まれていなければならない。
日本の現状だけを見ていては、決して問題の解決方法は見いだせない。
北欧では、一学級20人は当然で、しかも、担任の教師が三人いる国もある。フィンランドでは、教師になるためには、大学院の修士課程を終了しなければならず、しかも、研修過程での厳しい指導を乗り越えなければならない。
そういう意味で、民間企業以上に過労死寸前で仕事をこなしている教師が、鬱病になったり自殺したり辞職したり、塾の先生に鞍替えしたり、するのも当然のことである。
教師になる可能性は大きくなっているのにあまりにも仕事が厳しすぎて民間企業を選択する教育大学の学生も多い。
だから、私は、むしろ、三人に、同情している。しかし、問題の解決方法が間違っている。
私を育てた学童保育の父母に高校教師と小学校教師の夫婦がいた。夫が高校教師で妻が小学校教師であった。共働きであったから、お金はあったが、彼ら二人とも、日本共産党員であったから、組合活動にも忙しく、とにかく、家の中は汚かった(笑)。子供とも接する時間は少なく、夫は、せっかく作った食事を食べない息子にイライラしたと言っていた。しかし、娘と息子の二人の子供は、すくすくと育った。娘は、毎日のように、私の膝の上に乗って、お喋りをし、学童保育のリーダーの役割を果たしてくれた。妻は、小学校教師であったが、息子の入学式に出席した。分かるかな(笑)。職場放棄して有給を取り息子の門出を祝ったのであるが、それが職場で、どんな意味を持つか(笑)。可愛い顔して平気で校長に文句を言う度胸が彼女にはあったし、組合があった。娘にも可愛い服を着せたが、私は、構わず、山登りをさせ泥だらけにしてしまった。むしろ、そういう保育を望んでいた。
つまり、過重な労働を強制されている現実を変える方向にエネルギーを使うのか、それとも、そこから逃げる方向にエネルギーを使うのか、ここで、三人は、間違ったのである。
疲労の極にある時、人間の本性が現れる。学童保育の夏は地獄の夏で、私は、何度も、自分の本性を見せられた。そして、それを乗り越え、成長し、子供とその親を理解し、運動と組織を理解し、娘の誕生に伴う精神状態の安定をきっかけに、何の目処もなく、仕事を辞めた。
教育に生き甲斐を見いだせない人間は、教育者であってはならない。
大学でも、教育者たることを要求されたが、私は、大学では、学生は、自ら学ぶべきだと信じていたから、学生が、高校の先生のように、手に手を取って教えてくれと要求しても、応じなかった。
冷たい対応だったかもしれないし、卒業した後、文化祭にやってきた彼女と目が合ったが、社会に出てみて、私の対応が正しかったか、それとも、間違いだったか、その目は語らなかったが、私は、自分の子供にも、18歳になったら、大人になることを強要し、家を追い出した。
それが、大学での教育者のあり方だと考えていた。しかし、大学は、それを許さなかった。
そして、苛めが起こり、村八分が起こり、7年の歳月が無駄に流れ、短大は、潰れた(笑)。
私は、大学に来るためには、一定の資格が必要だと思う。日本のように、私学が乱立し、無能な学生が、大卒の資格を得るためにのみ、高い授業料を親に払って貰って、やってくる現状は、異常そのものである。
何のために大学に行くのか、考えない。何のために生きるのか、考えない。何のために働くのか、考えない。
そういう若者を大量生産したら、折角入社させても、すぐに辞めるのは当然のことである。
2012年5月17日(木)午後8時20分26秒
志位委員長の演説
長くなるが、日本共産党の志位委員長の演説を紹介する。
この演説では、北東アジアの平和との関連で日米安保条約廃棄の問題が扱われているが、目をアメリカの南の国々に転じてみると、そこは、反アメリカ一色の真っ赤な地帯に変身しており、アメリカが、何故、自衛隊と共同し、軍備を維持しようとしているか、理解出来る。中国でさえ、もはや、アメリカの仮想敵国ではありえなくなっている。中南米諸国は、ベネズエラのチャペス大統領の下に集結し、キューバの経済封鎖解除をアメリカに突き付けている。孤立無援のアメリカが、唯一、頼りにしているのが、日本共産党を除く自立出来ない政治家連中である。
アメリカは、大義があって人殺しをしているわけでは決してない。大量の価値を一瞬にして無にし、新たに価値を創造することで、死の商人に血塗られた富を与えるためである。このことは、真珠湾攻撃を利用して戦争に介入し、金日成の野望を阻止する大義の下朝鮮戦争にも介入し、ベトナム内戦にも介入し、数々の侵略と干渉の報復としての9.11をも大義として、アフガンとついでにイラクに侵略した、げにも恥ずかしい歴史が証明している。
しかし、グローバル化が進む中、資本主義の盟主たるアメリカも、いつまでも従来型の軍事優先経済を維持することは出来ない。資本主義と民主主義との関連は難しい研究課題であるが、世界は、今、富裕層課税強化を通した格差解消を行わない限り、政権を維持出来ない段階まで来ている。オランド次期大統領は75%の富裕層課税を公約して当選した。日本でも、自民党を選択する国民は既になく、民主党には裏切られ、第三の勢力に期待が寄せられている。それが、橋下に行く可能性はあるが、他方、京都府と滋賀県知事のコンビは、少なくとも、原発慎重論では一致しており、唯一、それが、大飯原発再稼働を阻止している。
イギリスでは、40万人の公務員が24時間ストを決行し、削減予定の16,000人の非番の警察官が、そろいの黒い帽子を被り、"CUTTING POLICE BY 20% IS CRIMINAL"を訴えデモ行進した。日本では考えられない現実が、欧州では平然と行われる事実を日本人は知るべきである。
常に、世界的視野で、地球的視野で、宇宙的視野で、そして、最後に、歴史的視野で、物事を見ること。
教育が、それを与えなかったから、自分の狭い認識は、そのままで構わない、というのは、間違っている。
日本共産党の志位和夫委員長が、12日に開かれた全国革新懇の年次総会で行った記念講演を紹介します。
日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか
全国革新懇総会 志位委員長の記念講演
全国からお集まりの仲間のみなさん、こんにちは。
今年は、日米安保条約発効60年の節目の年です。私たちの革新懇運動は、1980年の「社公合意」で、当時の社会党が、安保条約肯定・日本共産党排除の右転落をしたことを契機に、革新の大義にたつ政党・団体・個人の統一戦線運動として誕生しました。ですから、安保廃棄という課題は、革新懇運動にとって、文字通りの原点ともいうべき大問題だと思います。そこで今日は、「日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか」というテーマでお話をさせていただきたいと思います。
安保60年――「こんなアメリカいいなりの国でいいのか」の声が噴き出す
まず強調したいのは、発効から60年を経て、この異常な対米従属の体制が、どの分野でも行き詰まりをいよいよ深刻なものとし、「こんなアメリカいいなりの国でいいのか」という声が、保守の人びとも含めて、広範な国民から噴き出しているということです。私は、そのことを四つほど話したいと思います。
沖縄米軍基地問題の矛盾は限界点を超えた
一つは、沖縄米軍基地問題の矛盾が限界点を超えたということです。
いま、日米両国政府は、沖縄県民の総意に逆らって、普天間基地の「辺野古移設」に固執しています。その一方で、普天間基地を改修し、垂直離着陸機オスプレイを配備するなど、固定化の動きも起こっています。「県内移設がいやなら固定化だ」という脅しであります。米軍基地と県民との矛盾はすでに限界点を超えました。
そのもとで、沖縄県民のなかで、日米安保条約こそ沖縄の苦難の根源だという認識が広がっていることは重要だと思います。最近、琉球新報と毎日新聞が行った共同世論調査(5月5、6両日に実施)によりますと、「日米安保条約についてどう思うか」との問いにたいして、沖縄県民では、「維持すべきだ」と答えたのはわずか15.8%にとどまりました。「平和友好条約に改めるべきだ」が55.4%、「破棄すべきだ」が15.5%で、″軍事同盟をなくす″という立場が合計70.9%と圧倒的多数となりました。沖縄県民の怒りの矛先は、日米安保条約に向けられつつあるのです。
安保条約と日本国憲法が、いよいよ両立しえなくなった
二つは、安保条約と日本国憲法がいよいよ両立しえなくなったということです。
この間、日米軍事同盟の体制は、日米安保条約の枠組みさえ超えた、地球的規模の「日米同盟」への侵略的変質を強め、危険な事態が進展しています。
5月1日の日米首脳会談でかわされた「日米共同声明」では、日米の「動的防衛協力」なるものを初めてうたいました。これは、米軍と自衛隊が、地球的規模で、海外に打って出て、共同の軍事行動を行うというものです。
とりわけ、グアムとテニアンに、日米が共同使用する「訓練場」を建設し、共同訓練を行い、「多様な緊急事態に日米同盟が対応する能力をさらに高める」と「共同声明」で明記していることはきわめて重大であります。
それは、「集団的自衛権」の行使にむけた重大な一歩を踏み出すものであり、日米安保条約は、憲法9条といよいよ両立しえなくなっています。21世紀の日本の羅針盤として、憲法9条を選ぶか、安保を選ぶかが、するどく問われているのであります。
日本の経済主権を根底から損なう危機に直面している
三つ目は、日本の経済主権を根底から損なう危機に直面していることです。
TPP(環太平洋連携協定)参加は、たんなる自由貿易協定ではありません。日本の主権を根底から損なう危険をもつものです。
この間の「事前交渉」をつうじても、「関税ゼロ」にはコメを含めて例外がないことがすべての交渉国から念押しされました。「非関税障壁の撤廃」の名で、日本の経済と社会のあり方が、アメリカに都合のよいように「大改造」される危険が、食品安全、公共事業、保険、医療などで具体的に突きつけられています。しかも交渉内容を秘匿する合意をもつ秘密交渉であります。
農協、医師会、建設業界など従来の保守の人びとを含む幅広い反対の共同が広がり、そのなかから、「日本は主権を失うかどうかの瀬戸際だ」、「こんなアメリカの横暴を許していいのか」という声が、広くわきおこっていることは重要であります。
国際政治における日本外交の地位が著しく低下し、存在感がなくなっている
そして、四つ目は、国際政治における日本外交の地位が著しく低下し、存在感がなくなっているという問題です。
私は、2010年にニューヨークの国連本部で行われたNPT(核不拡散条約)再検討会議に参加して、被爆国の政府にもかかわらず、日本政府の存在感がまったくないことに驚きました。「どこにいるのだかわからない」という声を、日本から参加された被爆者の方からも聞きました。日本政府は、核兵器禁止条約の国際交渉を求める国連決議に、16年連続で棄権という態度をとり、核兵器廃絶という国民的悲願に背を向け、まったく無力で情けない姿をさらけだしています。
また、たとえば北朝鮮問題についても、「6カ国協議」に参加する他のすべての国が、北朝鮮との外交交渉のルートを持ち、それぞれの独自の外交戦略をもってのぞんでいるのに対して、日本だけは外交ルートも戦略もありません。
世界でどんな大問題が起こっても、だれからも相談もされず、頼りにもされない。そういう国になってしまっている。この外交的無力は、外交面での対米従属を続けてきた結果にほかなりません。この現実にたいしても、多くの国民が、閉塞(へいそく)感を強めています。
国民世論の新しい変化――NHKの世論調査から
興味深い世論調査を紹介したいと思います。「日米安保のいま」と題して発表された、NHKが2010年11月に行った世論調査です。
その調査結果を見ますと、「日米安保は役立っているか」という問いに対しては、「役立っている」が31%、「どちらかといえば役立っている」が40%で、あわせると72%と多数になっています。
ところが、「これからの安全保障体制」をどうするかという問いに対しては、「日米同盟を基軸に、日本の安全を守る」と答えたのはわずか19%です。それに対して、「アジアの多くの国々との関係を軸に、国際的な安全保障体制を築いていく」が55%、「いっさいの防衛力を持たないで、中立を保ち、外交によって安全を築いていく」が12%と、アジア諸国との外交によって安全保障をはかるべきだという立場が、合計で67%となっています。
さらに、「中国の動きへの対応」をどうするかという問いに対しては、「アメリカの軍事的抑止力によって、対処していく」と答えたのはわずか12%です。それに対して、「アジアにおいて他の国々とともに、対処していく」が57%、「日中二国間の関係を深めることで、対処していく」が23%と、中国とも外交による対応で友好関係を築いていこうという立場が、合計で80%に達しています。
他の党は、民主党も、自民党も、みんなの党も、「大阪維新の会」も、みんな当たり前のように、「日米同盟が基軸」、「軍事的抑止力が重要」と言います。しかし、国民世論は、なお多数が安保条約を肯定しつつも、単純な「日米同盟基軸」論、「軍事的抑止力」論を乗り越えつつあるのであります。
これは、日本と東アジア諸国との人的交流、経済関係のめざましい発展を反映した、注目すべき変化だと思います。
日米安保条約の是非を根本から問う国民的議論をよびかける
みなさん。直面する熱い問題で、一致点にもとづく共同をそれぞれ発展させながら、根源にある日米安保条約の是非を国民的に問うべき時期が来ているのではないでしょうか。
私は、日米安保条約発効60年にあたって、「日米安保をこのまま続けていいのか」を問う国民的議論を起こすことを心からよびかけるものであります。
安保条約をなくしたらどういう展望が開けるか
それでは、日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか。私は、少なくとも三つのことがいえると思います。
第一。米軍基地の重圧から日本国民が解放される
第一に、米軍基地の重圧から日本国民が一挙に解放されるということです。
条約第10条の権利を行使し、通告で安保条約をなくす
安保条約のもとでは、普天間基地一つを動かすにも日米合意が必要となります。しかし、安保条約をなくすのには、条約第10条の権利を行使して、一方が通告すれば可能となります。日本国民の意思がまとまり、通告の措置をとれば、1年後には安保条約は解消し、在日米軍もすべて撤退することになります。撤退の費用もアメリカにもってもらいます。
絶え間ない事件・事故・犯罪を引き起こし、日米地位協定による治外法権的な特権をもち、かずかずの密約による″闇の特権″をもった、他に類のない米軍基地の異常な重圧から、日本国民が一挙に解放されることになります。
私は、2009年に、沖縄県嘉手納町にうかがったさい、当時の宮城篤実町長から、こういう訴えを聞きました。「よく『普天間基地が世界一危険』といいますが、『嘉手納基地も世界一危険』なのです。日米安保条約の是非に関する新たな議論を国会のなかで巻き起こしてほしい」。こういう要請でありますが、私は、庁舎の横に広がる、4000メートル級滑走路を2本もつ、極東最大の空軍基地を見て、たしかにこの基地を動かそうと思ったら、日米安保をなくすのが早道ではないかということを、実感いたしました。
それから、今年の5月3日の憲法記念日に行われた集会で、伊波洋一元宜野湾市長が、「日米安保を乗り越える時期に来ている」、「日米安保を見直すスタートの年にしよう」と訴えたことを、私は、たいへん印象深く聞きました。
普天間基地、嘉手納基地という危険きわまりない米軍基地の重圧に苦しめられてきた自治体の首長をつとめてこられたお二人が、いまこそ安保の是非を考えなければいけないと提起していることは重いものがあると思います。
すみやかな基地撤去を求めながら、日米安保をなくせばすべての基地をなくすことができるという展望を、大いに示していこうではありませんか。
アメリカの引き起こす戦争の根拠地から抜け出す
日本から米軍基地をなくせば、日本は、アメリカの引き起こす戦争の根拠地から抜け出すことができます。
在日米軍基地というのは、海兵隊と空母打撃群など、「日本防衛」とは無関係の、「殴り込み」部隊によって構成され、ベトナム戦争、アフガニスタン・イラク戦争など、つねに侵略と干渉の戦争の根拠地とされてきました。「日米同盟」の名で、憲法を踏み破り、米軍と自衛隊が海外で共同の軍事行動を行う動きも、エスカレートしてきました。
在日米軍基地をなくすことは、それ自体が、世界とアジアの平和にとって巨大な前進となるということを、私は、強調したいと思います。
在日米軍のためにあてている血税と土地を、国民のために使う
さらに、日本から米軍基地をなくせば、在日米軍のために充てていた血税と土地を、国民の暮らしのために使うことができます。
在日米軍に対する駐留経費負担は、総額でいいますと、年間約7000億円に達しますが、その一切が不要になります。基地として使用されている総評価額14兆円ともいわれる土地のすべてが返還されます。
新たな産業と雇用が生まれます。沖縄のすべての米軍基地が返還されれば、現時点の沖縄の経済力のもとでも、誘発される生産額は2.2倍、所得額は2.1倍、雇用者数は2.7倍となります(県議会事務局による)。
みなさん。「基地のない沖縄」、「基地のない日本」を、安保条約をなくして実現しようではありませんか。
第二。アメリカの″戦争の根拠地″から、憲法9条を生かした″平和の発信地″に
第二に、安保条約をなくせば、日本が、アメリカの″戦争の根拠地″から、憲法9条を生かした″平和の発信地″に大きく変わります。
軍縮への転換のイニシアチブを本格的に発揮する立場に立てる
まず強調したいのは、安保条約をなくしてこそ、日本は、東アジア地域で、軍縮への転換のイニシアチブを本格的に発揮する立場に立つことができるということです。
4万人から5万人の在日米軍が撤退することは、文字通りの「大軍縮」となります。自衛隊も、米軍を補完する部隊は不要となり、大幅軍縮が可能となります。
いま進行している東アジア地域の緊張の根源は、米国が、イラク・アフガニスタン戦争の終結を見越して、「西太平洋及び東アジアからインド洋並びに南アジアまで広がる弧」に焦点をあて、「アジア太平洋地域に重点を移す」(米国防総省「世界における米国の指導性を維持‥ 21世紀の国防優先事項」・2012年1月5日)――覇権主義の戦略をすすめ、そのために米軍の再配置、軍事力の効率化、強化をはかっていることにあります。「米軍再編」の名で、在日米軍基地の強化、日米の軍事一体化、グアム、テニアン、オーストラリアなどへの海兵隊の分散配置が計画されています。
一方で、中国が、経済的に成長するもとで、軍事力を増大させ、2011年度の国防予算は円換算で7兆円をこえ(中国政府の発表による)、米国についで世界第2位となっているという問題があります。
日米安保条約を解消し、この地域の軍事的緊張の最大の根源となっている在日米軍基地を撤去してこそ、日本は、中国や東アジアの国々にたいして、「ともに軍縮の道に転じよう」と、軍拡から軍縮への転換を提起する、憲法9条を生かした平和のイニシアチブを本格的に発揮する立場に立つことができます。
それは、東アジア地域の平和と安定にとって、歴史的な転換点になりうるものだということを、私は確信をもって申し上げたいと思います。
日本と東アジアの安全保障――軍事に頼らない″平和的安全保障″を追求する
それでは、安保条約を廃棄したあとの日本と東アジアの安全保障をどうするか。
国民世論は、その方向を示しています。さきに紹介したNHK世論調査に示されたように、「アジアの多くの国々との関係を軸に、国際的な安全保障体制を築いていく」――この方向で知恵と力をつくすことが大切だと考えます。
東アジア地域というのは、どういう地域でしょうか。社会体制を見ても、発達した資本主義国、発展途上国、社会主義をめざす探求を行っている国など、さまざまな国々が存在しています。文明という点から見ても、仏教、イスラム教、キリスト教、ヒンズー教など、異なる文明が存在しています。同時に、この地域は、全体として大きな経済的発展のなかにあり、経済的な交流と相互依存が、年を追うごとに緊密になりつつあります。それだけに、この地域での国と国との戦争は、もはやありえないし、また絶対に起こしてはならないということは、明らかだと思います。
私は、この地域の安全保障で何よりも重要なことは、こうした現実に立って、″軍事依存の安全保障″から脱却し、異なる体制、発展段階、文明を、相互に尊重する対話と信頼醸成の努力をはかり、紛争の平和的解決に徹するなど、道理に立った外交で安全保障をはかる、″平和的安全保障″を追求することにあると考えるものです。
ASEANでつくられている重層的な平和と安全保障の仕組み
これは理想論でしょうか。決してそうではありません。東南アジアに見習うべき先駆的実例があります。
この地域には、かつて米国中心の軍事同盟――SEATO(東南アジア条約機構)がありました。東南アジアの一部の国は、アメリカの側に立ってベトナム侵略戦争に参戦しました。地域に深刻な分断が持ち込まれ、互いに傷つけあうことになりました。ベトナム戦争でのアメリカの敗北と撤退の後、軍事同盟によっては平和や安定は守れないとの反省から、SEATOは解消されました。
軍事同盟が解消されるもとで、東南アジアの国々は、ASEAN(東南アジア諸国連合)を発展させることに力をそそぎました。私たちは、野党外交のなかで、その教訓をASEANの各国の政府から直接聞く機会がありましたが、いまASEANが平和と安全保障の枠組みとして重視しているものが四つあるとの説明でありました。
第一は、TAC――東南アジア友好協力条約であります。1976年に締結されたTACは、武力行使の放棄と紛争の平和解決などを掲げ、まずASEAN域内の関係を律する行動規範となり、87年以降はこれを国際条約として域外に広げてきました。すでにTACは、ユーラシア大陸のほぼ全域とアメリカ大陸にまでおよぶ55カ国・地域に広がり、世界人口の7割が参加する巨大な流れに成長しています。
第二は、東南アジア非核地帯条約であります。「核兵器のない世界」をつくるうえで、東南アジアが先駆的役割を発揮しようというものです。
第三は、ARF――ASEAN地域フォーラムであります。27カ国が参加する機構に発展しているARFは、「対話と信頼醸成」のための機構と位置づけられ、「予防外交」「紛争の平和的解決」の機構に発展させるという展望をもって活動しています。注目すべきは、ARFには、韓国と北朝鮮の双方が加入しているということです。双方で紛争問題が起こったさいに、ARFは外交的解決に力を発揮してきました。
第四は、「南シナ海行動宣言」です。ASEANと中国が締結しているもので、南シナ海の諸島の領有をめぐる紛争を、エスカレートさせず、平和的方法で解決をめざすものです。この「行動宣言」を、さらに、法的拘束力のある「行動規範」に発展させようと、交渉を続けているのが現状であります。
これらの重層的な仕組みの全体をつらぬいている考え方は、軍事的手段・軍事的抑止力に依存した安全保障という考え方から脱却し、地域のすべての国を迎え入れ、対話と信頼醸成、紛争の平和的解決など、平和的なアプローチで安全保障を追求する――″平和的安全保障″という新しい考え方であります。
最近、日本共産党の緒方靖夫副委員長(国際委員会責任者)が、ASEANの国の一つ、フィリピンを訪問し、政府・議会の要人と会談しました。フィリピンは、マルコス独裁政権を打倒した86年の「ピープル・パワー革命」の後の92年、アジアで最大級のスービック海軍基地とクラーク空軍基地という二つの米軍基地を閉鎖・返還させました。緒方さんが先方と話しますと、そのことによって「抑止力がなくなって心配」という声は一つもなかったとのことであります。政治的立場を問わず共通していたのは、「基地撤去で何も問題は起こらなかった」ということだったといいます。
中国との関係も経済関係を強化し、領土をめぐる紛争問題をかかえていますが、紛争が起こっても拡大せずに、外交的に解決する関係をつくっています。
米軍とフィリピン軍との共同訓練などが行われていますが、外国軍事基地の再設置は、「ピープル・パワー革命」以後に制定された憲法のもとでは、考えられないとのことでありました。
北東アジアに平和の地域共同体を広げる
みなさん。こういう東南アジアで発展している平和の地域共同体を、北東アジアにも広げようというのが、私たちの提案であります。
北東アジアに、平和の地域共同体を築く条件はあるでしょうか。
この地域には、北朝鮮問題という難しい問題があります。北朝鮮の国際合意を無視した行動には、もとよりきびしい批判が必要です。同時に、「この地域で絶対に戦争をやってはならない」というのは、すべての国の共通の強い思いだと思います。それならば、平和的・外交的に解決することが最善かつ唯一の道ではないですか。困難はあっても、「6カ国協議」という枠組みを活用した外交的解決に力を傾注する必要があります。
「6カ国協議」には、この地域に関連するすべての国々が参加しています。2005年9月の「共同声明」では、朝鮮半島の非核化とともに、この枠組みを北東アジアの平和と安定の枠組みに発展させていくという展望も明記されました。この「共同声明」に立ち返り、非核の朝鮮半島をつくり、核・拉致・ミサイル・過去の清算などの諸懸案の包括的解決をはかり、この枠組みを、北東アジアの平和の地域共同の枠組みに発展させる外交努力をつくすことこそ、何よりも大切ではないでしょうか。
くわえて強調したいのは、「6カ国協議」に参加するすべての国が、TACとARFの参加国ともなっているということです。これらの機構を、北東アジアの平和と安定のためにも、積極的に活用していく外交努力も重要だと考えます。
憲法9条を生かした平和外交、軍事に頼らない″平和的安全保障″という考え方にたって、日本と東アジアの安全保障をはかろうというのが、私たちの提案であります。
憲法9条を生かした平和外交によって、世界平和に貢献する
安保条約から抜け出した日本は、憲法9条を生かした平和外交の力によって、世界平和に貢献する新しい日本へと生まれ変わります。
国連憲章に規定された平和の国際秩序をつくる、「核兵器のない世界」をつくる、異なる文明間の対話と共存の関係の確立をはかる――これらは世界の大多数の国々が追求している世界平和の大目標ですが、安保条約のもとでの日本は、米国の覇権主義の戦略に拘束され、それらの課題にまともに取り組むどころか、逆行する役割さえ果たしてきました。
安保条約の廃棄は、この状況を一変させるでしょう。日本が、憲法9条を生かして世界平和に貢献する、すばらしい役割を発揮できるようになることは、間違いありません。
核兵器廃絶の取り組みでも、安保条約をなくし、米国の「核の傘」から抜け出し、名実ともに「非核の日本」となってこそ、被爆国の政府にふさわしい、「核兵器のない世界」へのイニシアチブが発揮できることになるでしょう。ヒロシマ・ナガサキの惨禍を体験した日本が、そうしたイニシアチブを発揮すれば、この人類的課題の実現にむけて、どんなに大きな貢献となるかは、はかりしれません。
第三。日本の経済主権を確立するたしかな保障がつくられる
第三の変化は、安保条約をなくせば、日本の経済主権を確立するたしかな保障がつくられるということです。
経済の面でも、アメリカいいなりで、どれだけ日本経済がゆがめられてきたか。
農業では、小麦から始まって、牛肉・オレンジ、そしてコメまでも輸入自由化の対象とされ、日本の食料自給率は約4割と、世界の主要国で他に類をみない異常な水準に落ち込んでいます。
エネルギーでも、日本が「原発列島」にされた根源には、アメリカによる濃縮ウランと原子炉の押し付けがありました。
金融自由化と超低金利政策の押し付けによって、日本国民から莫大(ばくだい)な富が吸い上げられてきました。
労働でも、規制緩和の押し付けで派遣労働が自由化されるなど、「人間らしい労働」が破壊されています。
「日米構造協議」、「年次改革要望書」など、経済的従属の異常な「制度化」も進みました。TPP参加は、これらの流れの総仕上げであり、日本の経済主権を根こそぎ奪うものにほかなりません。
これらの根底には、日米安保条約第2条の「締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努める」という規定づけがあります。「くい違いを除け」と条文にうたわれている。このもとで、アメリカ型のルールの日本への押し付けが、横暴勝手に進められてきたのであります。
安保条約をなくせば、日本経済をあらゆる面でゆがめ、国民を苦しめてきた経済の面での″アメリカいいなり″を根本から断ち切ることができます。日本経済は、従属の枷(かせ)から解放されて、自主的発展の道を進むことができるでしょう。
そうしますと、たとえば地球環境の問題、投機マネーの規制の問題など、世界が直面する経済問題でも、日本が自主的イニシアチブを発揮し、民主的な国際経済秩序をつくるための貢献を果たすことができるようになると、私は考えるものであります。
日米友好条約の締結、非同盟諸国首脳会議への参加
みなさん。日米安保条約をなくせば、これだけの素晴らしい展望が開けてきます。
アメリカとの関係も、私たちが望むのは決して対立や敵対ではありません。日米安保条約に代えて日米友好条約を結ぶというのが、私たちの提案であります。支配・従属のもとでは真の友好は決してつくれない、対等・平等の関係になってこそ日米両国、両国民の真の友好を築くことができるというのが、私たちの確信であります。
非同盟諸国首脳会議は、すでに138カ国、54億人が参加(オブザーバーを含む)し、非軍事同盟・中立、国連憲章にもとづく平和の国際秩序、核兵器の廃絶、公正で民主的な国際経済秩序をめざす巨大な潮流として発展しています。安保条約をなくした日本は、この世界史の本流と合流しようではないか、というのが私たちの提案です。それは、世界の進歩への巨大な貢献となることは疑いない、ここにこそ21世紀の日本が進むべき道はあると訴えたいのであります。
東アジアに平和的環境をつくる緊急の外交努力を
最後にのべておきたいのは、日米安保条約の廃棄をめざす取り組みとともに、東アジアに平和的環境をつくる緊急の外交努力を、一貫して追求することが重要だということであります。4点ほどのべておきたいと思います。
軍事的対応の拡大と悪循環をきびしくしりぞける
一つは、「軍事には軍事」という軍事的緊張の拡大と悪循環は、いかなる形であれきびしくしりぞけるということです。
北朝鮮が、国際法や国際合意に違反する行動をとった場合に、日本の対応として、外交的解決の努力よりも軍事対応が突出する傾向が、しばしばみられますが、こうした態度はきびしく戒めることが必要であります。
この問題は、今後も複雑な局面が予想されますが、どんな場合でも、国際社会が一致して、外交的解決に徹するという態度を堅持することが、北朝鮮に違法行為をやめさせ、国際社会の責任ある一員としていくうえで、何よりも重要であるということを、強調しておきたいと思います。
米中・日中関係――軍事力で対抗する思考から抜け出し、軍拡から軍縮に
二つ目に、日中両国が「戦略的互恵関係」を確立し、米中両国も「戦略・経済対話」のしくみを制度化し、それぞれが経済関係、人的交流をいよいよ深化させるもとで、これらの国と国との戦争は決しておこしてはならないし、もはやおこせないことは誰の目にも明らかになっています。
その現実に立って、双方が、軍事力で対抗するという思考から脱却し、軍拡から軍縮に転じることを、わが党は強く求めるものであります。
領土をめぐる紛争問題――歴史的事実と国際法にもとづく外交的解決に徹する
三つ目に、この地域に存在する領土をめぐる紛争問題の解決にあたっては、歴史的事実と国際法にもとづく冷静な外交的解決に徹することが何よりも重要であります。
日本政府にこの点での弱点があることが、紛争解決の障害となっていることを、私たちは率直に指摘し、道理に立った領土問題解決の提案を行ってきました。
同時に、領土問題にかかわって、紛争当事国の一部から、一方的措置や武力行使容認論などが主張されていることは、相互不信を増幅するものとなっており、私は、是正する努力を求めたいと思います。
歴史問題の解決は、東アジアに平和的環境をつくる土台
四つ目に、日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は、東アジアに平和的環境をつくる土台になるということです。
わが党は、「従軍慰安婦」問題など、未解決の問題をすみやかに解決するとともに、歴史を偽造する逆流の台頭を許さないことを、日本政府に強く求めます。
過去を変えることはできませんが、過去を直視し、そこから反省と教訓を引き出し、未来に生かすことができます。そういう姿勢を貫いてこそ、日本は、東アジア諸国との本当の友情をつくることができるというのが、私たちの確信であります。
日米安保条約をなくす国民的多数派をつくろう
みなさん。日米安保条約をなくすためには、それを求める国民的多数派をつくることが必要であります。そのためには平和を願う国民要求から出発して、日米軍事同盟の他に類のない異常を一つひとつただすたたかいを発展させるとともに、「安保をなくしたらどういう展望が開かれるか」を、広く国民のものにしていく取り組みが大切であります。
沖縄をはじめとする米軍基地撤去、治外法権的な日米地位協定の改定、「米軍再編」の名での地球的規模での日米軍事共同をやめさせる、米軍への「思いやり予算」を廃止する、国民を欺く「核密約」など秘密取り決めを撤廃する、TPP参加を阻止するなど、国民の切実な要求にもとづくたたかいを、それぞれの一致点を大切にしながら、大きく発展させようではありませんか。
そのなかで「安保をなくしたらどういう展望が開かれるか」を、広い国民のものにしていく努力を一貫して強めようではありませんか。
日米安保条約廃棄を求める国民的多数派をつくることは、民主連合政府を樹立する大きな条件を開くことにもなります。
みなさん。力をあわせて、本当の独立国といえる、平和・中立の新しい日本をつくりましょう。そのことを、最後に訴えて、私の話とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
「しんぶん赤旗」、2012年5月15日(火)、9~10頁
2012年5月15日(火)午後6時40分1秒
この演説では、北東アジアの平和との関連で日米安保条約廃棄の問題が扱われているが、目をアメリカの南の国々に転じてみると、そこは、反アメリカ一色の真っ赤な地帯に変身しており、アメリカが、何故、自衛隊と共同し、軍備を維持しようとしているか、理解出来る。中国でさえ、もはや、アメリカの仮想敵国ではありえなくなっている。中南米諸国は、ベネズエラのチャペス大統領の下に集結し、キューバの経済封鎖解除をアメリカに突き付けている。孤立無援のアメリカが、唯一、頼りにしているのが、日本共産党を除く自立出来ない政治家連中である。
アメリカは、大義があって人殺しをしているわけでは決してない。大量の価値を一瞬にして無にし、新たに価値を創造することで、死の商人に血塗られた富を与えるためである。このことは、真珠湾攻撃を利用して戦争に介入し、金日成の野望を阻止する大義の下朝鮮戦争にも介入し、ベトナム内戦にも介入し、数々の侵略と干渉の報復としての9.11をも大義として、アフガンとついでにイラクに侵略した、げにも恥ずかしい歴史が証明している。
しかし、グローバル化が進む中、資本主義の盟主たるアメリカも、いつまでも従来型の軍事優先経済を維持することは出来ない。資本主義と民主主義との関連は難しい研究課題であるが、世界は、今、富裕層課税強化を通した格差解消を行わない限り、政権を維持出来ない段階まで来ている。オランド次期大統領は75%の富裕層課税を公約して当選した。日本でも、自民党を選択する国民は既になく、民主党には裏切られ、第三の勢力に期待が寄せられている。それが、橋下に行く可能性はあるが、他方、京都府と滋賀県知事のコンビは、少なくとも、原発慎重論では一致しており、唯一、それが、大飯原発再稼働を阻止している。
イギリスでは、40万人の公務員が24時間ストを決行し、削減予定の16,000人の非番の警察官が、そろいの黒い帽子を被り、"CUTTING POLICE BY 20% IS CRIMINAL"を訴えデモ行進した。日本では考えられない現実が、欧州では平然と行われる事実を日本人は知るべきである。
常に、世界的視野で、地球的視野で、宇宙的視野で、そして、最後に、歴史的視野で、物事を見ること。
教育が、それを与えなかったから、自分の狭い認識は、そのままで構わない、というのは、間違っている。
日本共産党の志位和夫委員長が、12日に開かれた全国革新懇の年次総会で行った記念講演を紹介します。
日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか
全国革新懇総会 志位委員長の記念講演
全国からお集まりの仲間のみなさん、こんにちは。
今年は、日米安保条約発効60年の節目の年です。私たちの革新懇運動は、1980年の「社公合意」で、当時の社会党が、安保条約肯定・日本共産党排除の右転落をしたことを契機に、革新の大義にたつ政党・団体・個人の統一戦線運動として誕生しました。ですから、安保廃棄という課題は、革新懇運動にとって、文字通りの原点ともいうべき大問題だと思います。そこで今日は、「日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか」というテーマでお話をさせていただきたいと思います。
安保60年――「こんなアメリカいいなりの国でいいのか」の声が噴き出す
まず強調したいのは、発効から60年を経て、この異常な対米従属の体制が、どの分野でも行き詰まりをいよいよ深刻なものとし、「こんなアメリカいいなりの国でいいのか」という声が、保守の人びとも含めて、広範な国民から噴き出しているということです。私は、そのことを四つほど話したいと思います。
沖縄米軍基地問題の矛盾は限界点を超えた
一つは、沖縄米軍基地問題の矛盾が限界点を超えたということです。
いま、日米両国政府は、沖縄県民の総意に逆らって、普天間基地の「辺野古移設」に固執しています。その一方で、普天間基地を改修し、垂直離着陸機オスプレイを配備するなど、固定化の動きも起こっています。「県内移設がいやなら固定化だ」という脅しであります。米軍基地と県民との矛盾はすでに限界点を超えました。
そのもとで、沖縄県民のなかで、日米安保条約こそ沖縄の苦難の根源だという認識が広がっていることは重要だと思います。最近、琉球新報と毎日新聞が行った共同世論調査(5月5、6両日に実施)によりますと、「日米安保条約についてどう思うか」との問いにたいして、沖縄県民では、「維持すべきだ」と答えたのはわずか15.8%にとどまりました。「平和友好条約に改めるべきだ」が55.4%、「破棄すべきだ」が15.5%で、″軍事同盟をなくす″という立場が合計70.9%と圧倒的多数となりました。沖縄県民の怒りの矛先は、日米安保条約に向けられつつあるのです。
安保条約と日本国憲法が、いよいよ両立しえなくなった
二つは、安保条約と日本国憲法がいよいよ両立しえなくなったということです。
この間、日米軍事同盟の体制は、日米安保条約の枠組みさえ超えた、地球的規模の「日米同盟」への侵略的変質を強め、危険な事態が進展しています。
5月1日の日米首脳会談でかわされた「日米共同声明」では、日米の「動的防衛協力」なるものを初めてうたいました。これは、米軍と自衛隊が、地球的規模で、海外に打って出て、共同の軍事行動を行うというものです。
とりわけ、グアムとテニアンに、日米が共同使用する「訓練場」を建設し、共同訓練を行い、「多様な緊急事態に日米同盟が対応する能力をさらに高める」と「共同声明」で明記していることはきわめて重大であります。
それは、「集団的自衛権」の行使にむけた重大な一歩を踏み出すものであり、日米安保条約は、憲法9条といよいよ両立しえなくなっています。21世紀の日本の羅針盤として、憲法9条を選ぶか、安保を選ぶかが、するどく問われているのであります。
日本の経済主権を根底から損なう危機に直面している
三つ目は、日本の経済主権を根底から損なう危機に直面していることです。
TPP(環太平洋連携協定)参加は、たんなる自由貿易協定ではありません。日本の主権を根底から損なう危険をもつものです。
この間の「事前交渉」をつうじても、「関税ゼロ」にはコメを含めて例外がないことがすべての交渉国から念押しされました。「非関税障壁の撤廃」の名で、日本の経済と社会のあり方が、アメリカに都合のよいように「大改造」される危険が、食品安全、公共事業、保険、医療などで具体的に突きつけられています。しかも交渉内容を秘匿する合意をもつ秘密交渉であります。
農協、医師会、建設業界など従来の保守の人びとを含む幅広い反対の共同が広がり、そのなかから、「日本は主権を失うかどうかの瀬戸際だ」、「こんなアメリカの横暴を許していいのか」という声が、広くわきおこっていることは重要であります。
国際政治における日本外交の地位が著しく低下し、存在感がなくなっている
そして、四つ目は、国際政治における日本外交の地位が著しく低下し、存在感がなくなっているという問題です。
私は、2010年にニューヨークの国連本部で行われたNPT(核不拡散条約)再検討会議に参加して、被爆国の政府にもかかわらず、日本政府の存在感がまったくないことに驚きました。「どこにいるのだかわからない」という声を、日本から参加された被爆者の方からも聞きました。日本政府は、核兵器禁止条約の国際交渉を求める国連決議に、16年連続で棄権という態度をとり、核兵器廃絶という国民的悲願に背を向け、まったく無力で情けない姿をさらけだしています。
また、たとえば北朝鮮問題についても、「6カ国協議」に参加する他のすべての国が、北朝鮮との外交交渉のルートを持ち、それぞれの独自の外交戦略をもってのぞんでいるのに対して、日本だけは外交ルートも戦略もありません。
世界でどんな大問題が起こっても、だれからも相談もされず、頼りにもされない。そういう国になってしまっている。この外交的無力は、外交面での対米従属を続けてきた結果にほかなりません。この現実にたいしても、多くの国民が、閉塞(へいそく)感を強めています。
国民世論の新しい変化――NHKの世論調査から
興味深い世論調査を紹介したいと思います。「日米安保のいま」と題して発表された、NHKが2010年11月に行った世論調査です。
その調査結果を見ますと、「日米安保は役立っているか」という問いに対しては、「役立っている」が31%、「どちらかといえば役立っている」が40%で、あわせると72%と多数になっています。
ところが、「これからの安全保障体制」をどうするかという問いに対しては、「日米同盟を基軸に、日本の安全を守る」と答えたのはわずか19%です。それに対して、「アジアの多くの国々との関係を軸に、国際的な安全保障体制を築いていく」が55%、「いっさいの防衛力を持たないで、中立を保ち、外交によって安全を築いていく」が12%と、アジア諸国との外交によって安全保障をはかるべきだという立場が、合計で67%となっています。
さらに、「中国の動きへの対応」をどうするかという問いに対しては、「アメリカの軍事的抑止力によって、対処していく」と答えたのはわずか12%です。それに対して、「アジアにおいて他の国々とともに、対処していく」が57%、「日中二国間の関係を深めることで、対処していく」が23%と、中国とも外交による対応で友好関係を築いていこうという立場が、合計で80%に達しています。
他の党は、民主党も、自民党も、みんなの党も、「大阪維新の会」も、みんな当たり前のように、「日米同盟が基軸」、「軍事的抑止力が重要」と言います。しかし、国民世論は、なお多数が安保条約を肯定しつつも、単純な「日米同盟基軸」論、「軍事的抑止力」論を乗り越えつつあるのであります。
これは、日本と東アジア諸国との人的交流、経済関係のめざましい発展を反映した、注目すべき変化だと思います。
日米安保条約の是非を根本から問う国民的議論をよびかける
みなさん。直面する熱い問題で、一致点にもとづく共同をそれぞれ発展させながら、根源にある日米安保条約の是非を国民的に問うべき時期が来ているのではないでしょうか。
私は、日米安保条約発効60年にあたって、「日米安保をこのまま続けていいのか」を問う国民的議論を起こすことを心からよびかけるものであります。
安保条約をなくしたらどういう展望が開けるか
それでは、日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか。私は、少なくとも三つのことがいえると思います。
第一。米軍基地の重圧から日本国民が解放される
第一に、米軍基地の重圧から日本国民が一挙に解放されるということです。
条約第10条の権利を行使し、通告で安保条約をなくす
安保条約のもとでは、普天間基地一つを動かすにも日米合意が必要となります。しかし、安保条約をなくすのには、条約第10条の権利を行使して、一方が通告すれば可能となります。日本国民の意思がまとまり、通告の措置をとれば、1年後には安保条約は解消し、在日米軍もすべて撤退することになります。撤退の費用もアメリカにもってもらいます。
絶え間ない事件・事故・犯罪を引き起こし、日米地位協定による治外法権的な特権をもち、かずかずの密約による″闇の特権″をもった、他に類のない米軍基地の異常な重圧から、日本国民が一挙に解放されることになります。
私は、2009年に、沖縄県嘉手納町にうかがったさい、当時の宮城篤実町長から、こういう訴えを聞きました。「よく『普天間基地が世界一危険』といいますが、『嘉手納基地も世界一危険』なのです。日米安保条約の是非に関する新たな議論を国会のなかで巻き起こしてほしい」。こういう要請でありますが、私は、庁舎の横に広がる、4000メートル級滑走路を2本もつ、極東最大の空軍基地を見て、たしかにこの基地を動かそうと思ったら、日米安保をなくすのが早道ではないかということを、実感いたしました。
それから、今年の5月3日の憲法記念日に行われた集会で、伊波洋一元宜野湾市長が、「日米安保を乗り越える時期に来ている」、「日米安保を見直すスタートの年にしよう」と訴えたことを、私は、たいへん印象深く聞きました。
普天間基地、嘉手納基地という危険きわまりない米軍基地の重圧に苦しめられてきた自治体の首長をつとめてこられたお二人が、いまこそ安保の是非を考えなければいけないと提起していることは重いものがあると思います。
すみやかな基地撤去を求めながら、日米安保をなくせばすべての基地をなくすことができるという展望を、大いに示していこうではありませんか。
アメリカの引き起こす戦争の根拠地から抜け出す
日本から米軍基地をなくせば、日本は、アメリカの引き起こす戦争の根拠地から抜け出すことができます。
在日米軍基地というのは、海兵隊と空母打撃群など、「日本防衛」とは無関係の、「殴り込み」部隊によって構成され、ベトナム戦争、アフガニスタン・イラク戦争など、つねに侵略と干渉の戦争の根拠地とされてきました。「日米同盟」の名で、憲法を踏み破り、米軍と自衛隊が海外で共同の軍事行動を行う動きも、エスカレートしてきました。
在日米軍基地をなくすことは、それ自体が、世界とアジアの平和にとって巨大な前進となるということを、私は、強調したいと思います。
在日米軍のためにあてている血税と土地を、国民のために使う
さらに、日本から米軍基地をなくせば、在日米軍のために充てていた血税と土地を、国民の暮らしのために使うことができます。
在日米軍に対する駐留経費負担は、総額でいいますと、年間約7000億円に達しますが、その一切が不要になります。基地として使用されている総評価額14兆円ともいわれる土地のすべてが返還されます。
新たな産業と雇用が生まれます。沖縄のすべての米軍基地が返還されれば、現時点の沖縄の経済力のもとでも、誘発される生産額は2.2倍、所得額は2.1倍、雇用者数は2.7倍となります(県議会事務局による)。
みなさん。「基地のない沖縄」、「基地のない日本」を、安保条約をなくして実現しようではありませんか。
第二。アメリカの″戦争の根拠地″から、憲法9条を生かした″平和の発信地″に
第二に、安保条約をなくせば、日本が、アメリカの″戦争の根拠地″から、憲法9条を生かした″平和の発信地″に大きく変わります。
軍縮への転換のイニシアチブを本格的に発揮する立場に立てる
まず強調したいのは、安保条約をなくしてこそ、日本は、東アジア地域で、軍縮への転換のイニシアチブを本格的に発揮する立場に立つことができるということです。
4万人から5万人の在日米軍が撤退することは、文字通りの「大軍縮」となります。自衛隊も、米軍を補完する部隊は不要となり、大幅軍縮が可能となります。
いま進行している東アジア地域の緊張の根源は、米国が、イラク・アフガニスタン戦争の終結を見越して、「西太平洋及び東アジアからインド洋並びに南アジアまで広がる弧」に焦点をあて、「アジア太平洋地域に重点を移す」(米国防総省「世界における米国の指導性を維持‥ 21世紀の国防優先事項」・2012年1月5日)――覇権主義の戦略をすすめ、そのために米軍の再配置、軍事力の効率化、強化をはかっていることにあります。「米軍再編」の名で、在日米軍基地の強化、日米の軍事一体化、グアム、テニアン、オーストラリアなどへの海兵隊の分散配置が計画されています。
一方で、中国が、経済的に成長するもとで、軍事力を増大させ、2011年度の国防予算は円換算で7兆円をこえ(中国政府の発表による)、米国についで世界第2位となっているという問題があります。
日米安保条約を解消し、この地域の軍事的緊張の最大の根源となっている在日米軍基地を撤去してこそ、日本は、中国や東アジアの国々にたいして、「ともに軍縮の道に転じよう」と、軍拡から軍縮への転換を提起する、憲法9条を生かした平和のイニシアチブを本格的に発揮する立場に立つことができます。
それは、東アジア地域の平和と安定にとって、歴史的な転換点になりうるものだということを、私は確信をもって申し上げたいと思います。
日本と東アジアの安全保障――軍事に頼らない″平和的安全保障″を追求する
それでは、安保条約を廃棄したあとの日本と東アジアの安全保障をどうするか。
国民世論は、その方向を示しています。さきに紹介したNHK世論調査に示されたように、「アジアの多くの国々との関係を軸に、国際的な安全保障体制を築いていく」――この方向で知恵と力をつくすことが大切だと考えます。
東アジア地域というのは、どういう地域でしょうか。社会体制を見ても、発達した資本主義国、発展途上国、社会主義をめざす探求を行っている国など、さまざまな国々が存在しています。文明という点から見ても、仏教、イスラム教、キリスト教、ヒンズー教など、異なる文明が存在しています。同時に、この地域は、全体として大きな経済的発展のなかにあり、経済的な交流と相互依存が、年を追うごとに緊密になりつつあります。それだけに、この地域での国と国との戦争は、もはやありえないし、また絶対に起こしてはならないということは、明らかだと思います。
私は、この地域の安全保障で何よりも重要なことは、こうした現実に立って、″軍事依存の安全保障″から脱却し、異なる体制、発展段階、文明を、相互に尊重する対話と信頼醸成の努力をはかり、紛争の平和的解決に徹するなど、道理に立った外交で安全保障をはかる、″平和的安全保障″を追求することにあると考えるものです。
ASEANでつくられている重層的な平和と安全保障の仕組み
これは理想論でしょうか。決してそうではありません。東南アジアに見習うべき先駆的実例があります。
この地域には、かつて米国中心の軍事同盟――SEATO(東南アジア条約機構)がありました。東南アジアの一部の国は、アメリカの側に立ってベトナム侵略戦争に参戦しました。地域に深刻な分断が持ち込まれ、互いに傷つけあうことになりました。ベトナム戦争でのアメリカの敗北と撤退の後、軍事同盟によっては平和や安定は守れないとの反省から、SEATOは解消されました。
軍事同盟が解消されるもとで、東南アジアの国々は、ASEAN(東南アジア諸国連合)を発展させることに力をそそぎました。私たちは、野党外交のなかで、その教訓をASEANの各国の政府から直接聞く機会がありましたが、いまASEANが平和と安全保障の枠組みとして重視しているものが四つあるとの説明でありました。
第一は、TAC――東南アジア友好協力条約であります。1976年に締結されたTACは、武力行使の放棄と紛争の平和解決などを掲げ、まずASEAN域内の関係を律する行動規範となり、87年以降はこれを国際条約として域外に広げてきました。すでにTACは、ユーラシア大陸のほぼ全域とアメリカ大陸にまでおよぶ55カ国・地域に広がり、世界人口の7割が参加する巨大な流れに成長しています。
第二は、東南アジア非核地帯条約であります。「核兵器のない世界」をつくるうえで、東南アジアが先駆的役割を発揮しようというものです。
第三は、ARF――ASEAN地域フォーラムであります。27カ国が参加する機構に発展しているARFは、「対話と信頼醸成」のための機構と位置づけられ、「予防外交」「紛争の平和的解決」の機構に発展させるという展望をもって活動しています。注目すべきは、ARFには、韓国と北朝鮮の双方が加入しているということです。双方で紛争問題が起こったさいに、ARFは外交的解決に力を発揮してきました。
第四は、「南シナ海行動宣言」です。ASEANと中国が締結しているもので、南シナ海の諸島の領有をめぐる紛争を、エスカレートさせず、平和的方法で解決をめざすものです。この「行動宣言」を、さらに、法的拘束力のある「行動規範」に発展させようと、交渉を続けているのが現状であります。
これらの重層的な仕組みの全体をつらぬいている考え方は、軍事的手段・軍事的抑止力に依存した安全保障という考え方から脱却し、地域のすべての国を迎え入れ、対話と信頼醸成、紛争の平和的解決など、平和的なアプローチで安全保障を追求する――″平和的安全保障″という新しい考え方であります。
最近、日本共産党の緒方靖夫副委員長(国際委員会責任者)が、ASEANの国の一つ、フィリピンを訪問し、政府・議会の要人と会談しました。フィリピンは、マルコス独裁政権を打倒した86年の「ピープル・パワー革命」の後の92年、アジアで最大級のスービック海軍基地とクラーク空軍基地という二つの米軍基地を閉鎖・返還させました。緒方さんが先方と話しますと、そのことによって「抑止力がなくなって心配」という声は一つもなかったとのことであります。政治的立場を問わず共通していたのは、「基地撤去で何も問題は起こらなかった」ということだったといいます。
中国との関係も経済関係を強化し、領土をめぐる紛争問題をかかえていますが、紛争が起こっても拡大せずに、外交的に解決する関係をつくっています。
米軍とフィリピン軍との共同訓練などが行われていますが、外国軍事基地の再設置は、「ピープル・パワー革命」以後に制定された憲法のもとでは、考えられないとのことでありました。
北東アジアに平和の地域共同体を広げる
みなさん。こういう東南アジアで発展している平和の地域共同体を、北東アジアにも広げようというのが、私たちの提案であります。
北東アジアに、平和の地域共同体を築く条件はあるでしょうか。
この地域には、北朝鮮問題という難しい問題があります。北朝鮮の国際合意を無視した行動には、もとよりきびしい批判が必要です。同時に、「この地域で絶対に戦争をやってはならない」というのは、すべての国の共通の強い思いだと思います。それならば、平和的・外交的に解決することが最善かつ唯一の道ではないですか。困難はあっても、「6カ国協議」という枠組みを活用した外交的解決に力を傾注する必要があります。
「6カ国協議」には、この地域に関連するすべての国々が参加しています。2005年9月の「共同声明」では、朝鮮半島の非核化とともに、この枠組みを北東アジアの平和と安定の枠組みに発展させていくという展望も明記されました。この「共同声明」に立ち返り、非核の朝鮮半島をつくり、核・拉致・ミサイル・過去の清算などの諸懸案の包括的解決をはかり、この枠組みを、北東アジアの平和の地域共同の枠組みに発展させる外交努力をつくすことこそ、何よりも大切ではないでしょうか。
くわえて強調したいのは、「6カ国協議」に参加するすべての国が、TACとARFの参加国ともなっているということです。これらの機構を、北東アジアの平和と安定のためにも、積極的に活用していく外交努力も重要だと考えます。
憲法9条を生かした平和外交、軍事に頼らない″平和的安全保障″という考え方にたって、日本と東アジアの安全保障をはかろうというのが、私たちの提案であります。
憲法9条を生かした平和外交によって、世界平和に貢献する
安保条約から抜け出した日本は、憲法9条を生かした平和外交の力によって、世界平和に貢献する新しい日本へと生まれ変わります。
国連憲章に規定された平和の国際秩序をつくる、「核兵器のない世界」をつくる、異なる文明間の対話と共存の関係の確立をはかる――これらは世界の大多数の国々が追求している世界平和の大目標ですが、安保条約のもとでの日本は、米国の覇権主義の戦略に拘束され、それらの課題にまともに取り組むどころか、逆行する役割さえ果たしてきました。
安保条約の廃棄は、この状況を一変させるでしょう。日本が、憲法9条を生かして世界平和に貢献する、すばらしい役割を発揮できるようになることは、間違いありません。
核兵器廃絶の取り組みでも、安保条約をなくし、米国の「核の傘」から抜け出し、名実ともに「非核の日本」となってこそ、被爆国の政府にふさわしい、「核兵器のない世界」へのイニシアチブが発揮できることになるでしょう。ヒロシマ・ナガサキの惨禍を体験した日本が、そうしたイニシアチブを発揮すれば、この人類的課題の実現にむけて、どんなに大きな貢献となるかは、はかりしれません。
第三。日本の経済主権を確立するたしかな保障がつくられる
第三の変化は、安保条約をなくせば、日本の経済主権を確立するたしかな保障がつくられるということです。
経済の面でも、アメリカいいなりで、どれだけ日本経済がゆがめられてきたか。
農業では、小麦から始まって、牛肉・オレンジ、そしてコメまでも輸入自由化の対象とされ、日本の食料自給率は約4割と、世界の主要国で他に類をみない異常な水準に落ち込んでいます。
エネルギーでも、日本が「原発列島」にされた根源には、アメリカによる濃縮ウランと原子炉の押し付けがありました。
金融自由化と超低金利政策の押し付けによって、日本国民から莫大(ばくだい)な富が吸い上げられてきました。
労働でも、規制緩和の押し付けで派遣労働が自由化されるなど、「人間らしい労働」が破壊されています。
「日米構造協議」、「年次改革要望書」など、経済的従属の異常な「制度化」も進みました。TPP参加は、これらの流れの総仕上げであり、日本の経済主権を根こそぎ奪うものにほかなりません。
これらの根底には、日米安保条約第2条の「締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努める」という規定づけがあります。「くい違いを除け」と条文にうたわれている。このもとで、アメリカ型のルールの日本への押し付けが、横暴勝手に進められてきたのであります。
安保条約をなくせば、日本経済をあらゆる面でゆがめ、国民を苦しめてきた経済の面での″アメリカいいなり″を根本から断ち切ることができます。日本経済は、従属の枷(かせ)から解放されて、自主的発展の道を進むことができるでしょう。
そうしますと、たとえば地球環境の問題、投機マネーの規制の問題など、世界が直面する経済問題でも、日本が自主的イニシアチブを発揮し、民主的な国際経済秩序をつくるための貢献を果たすことができるようになると、私は考えるものであります。
日米友好条約の締結、非同盟諸国首脳会議への参加
みなさん。日米安保条約をなくせば、これだけの素晴らしい展望が開けてきます。
アメリカとの関係も、私たちが望むのは決して対立や敵対ではありません。日米安保条約に代えて日米友好条約を結ぶというのが、私たちの提案であります。支配・従属のもとでは真の友好は決してつくれない、対等・平等の関係になってこそ日米両国、両国民の真の友好を築くことができるというのが、私たちの確信であります。
非同盟諸国首脳会議は、すでに138カ国、54億人が参加(オブザーバーを含む)し、非軍事同盟・中立、国連憲章にもとづく平和の国際秩序、核兵器の廃絶、公正で民主的な国際経済秩序をめざす巨大な潮流として発展しています。安保条約をなくした日本は、この世界史の本流と合流しようではないか、というのが私たちの提案です。それは、世界の進歩への巨大な貢献となることは疑いない、ここにこそ21世紀の日本が進むべき道はあると訴えたいのであります。
東アジアに平和的環境をつくる緊急の外交努力を
最後にのべておきたいのは、日米安保条約の廃棄をめざす取り組みとともに、東アジアに平和的環境をつくる緊急の外交努力を、一貫して追求することが重要だということであります。4点ほどのべておきたいと思います。
軍事的対応の拡大と悪循環をきびしくしりぞける
一つは、「軍事には軍事」という軍事的緊張の拡大と悪循環は、いかなる形であれきびしくしりぞけるということです。
北朝鮮が、国際法や国際合意に違反する行動をとった場合に、日本の対応として、外交的解決の努力よりも軍事対応が突出する傾向が、しばしばみられますが、こうした態度はきびしく戒めることが必要であります。
この問題は、今後も複雑な局面が予想されますが、どんな場合でも、国際社会が一致して、外交的解決に徹するという態度を堅持することが、北朝鮮に違法行為をやめさせ、国際社会の責任ある一員としていくうえで、何よりも重要であるということを、強調しておきたいと思います。
米中・日中関係――軍事力で対抗する思考から抜け出し、軍拡から軍縮に
二つ目に、日中両国が「戦略的互恵関係」を確立し、米中両国も「戦略・経済対話」のしくみを制度化し、それぞれが経済関係、人的交流をいよいよ深化させるもとで、これらの国と国との戦争は決しておこしてはならないし、もはやおこせないことは誰の目にも明らかになっています。
その現実に立って、双方が、軍事力で対抗するという思考から脱却し、軍拡から軍縮に転じることを、わが党は強く求めるものであります。
領土をめぐる紛争問題――歴史的事実と国際法にもとづく外交的解決に徹する
三つ目に、この地域に存在する領土をめぐる紛争問題の解決にあたっては、歴史的事実と国際法にもとづく冷静な外交的解決に徹することが何よりも重要であります。
日本政府にこの点での弱点があることが、紛争解決の障害となっていることを、私たちは率直に指摘し、道理に立った領土問題解決の提案を行ってきました。
同時に、領土問題にかかわって、紛争当事国の一部から、一方的措置や武力行使容認論などが主張されていることは、相互不信を増幅するものとなっており、私は、是正する努力を求めたいと思います。
歴史問題の解決は、東アジアに平和的環境をつくる土台
四つ目に、日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は、東アジアに平和的環境をつくる土台になるということです。
わが党は、「従軍慰安婦」問題など、未解決の問題をすみやかに解決するとともに、歴史を偽造する逆流の台頭を許さないことを、日本政府に強く求めます。
過去を変えることはできませんが、過去を直視し、そこから反省と教訓を引き出し、未来に生かすことができます。そういう姿勢を貫いてこそ、日本は、東アジア諸国との本当の友情をつくることができるというのが、私たちの確信であります。
日米安保条約をなくす国民的多数派をつくろう
みなさん。日米安保条約をなくすためには、それを求める国民的多数派をつくることが必要であります。そのためには平和を願う国民要求から出発して、日米軍事同盟の他に類のない異常を一つひとつただすたたかいを発展させるとともに、「安保をなくしたらどういう展望が開かれるか」を、広く国民のものにしていく取り組みが大切であります。
沖縄をはじめとする米軍基地撤去、治外法権的な日米地位協定の改定、「米軍再編」の名での地球的規模での日米軍事共同をやめさせる、米軍への「思いやり予算」を廃止する、国民を欺く「核密約」など秘密取り決めを撤廃する、TPP参加を阻止するなど、国民の切実な要求にもとづくたたかいを、それぞれの一致点を大切にしながら、大きく発展させようではありませんか。
そのなかで「安保をなくしたらどういう展望が開かれるか」を、広い国民のものにしていく努力を一貫して強めようではありませんか。
日米安保条約廃棄を求める国民的多数派をつくることは、民主連合政府を樹立する大きな条件を開くことにもなります。
みなさん。力をあわせて、本当の独立国といえる、平和・中立の新しい日本をつくりましょう。そのことを、最後に訴えて、私の話とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
「しんぶん赤旗」、2012年5月15日(火)、9~10頁
2012年5月15日(火)午後6時40分1秒
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティの動き
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティの動きが到達したから、ここに紹介する。
内容は、専門的であるが、兼任の物理的不可能性と東電と政府の軍門に下ることはNHKの政治的独立性を損ねる、ということである。だから、就任するなら、経営委員長を辞任しろ、それが嫌なら、辞退しろ、どっちか、ハッキリしろ、ということである(笑)。
東京電力の社外取締役への貴殿の就任の撤回を求める質問・要望書申し入れ(報告)
2012年5月14日
日時:5月14日 11時から約30分間
NHK対応:視聴者事業部 視聴者部 山本健一副部長
〃 〃 米森公二副部長
参加者:醍醐共同代表、渡邉運営委員
【概要】
11日深夜、「政府と東京電力は11日、東電の社外取締役にJFEホールディングス元社長でNHK経営委員長の数土文夫氏を充てる方針を固めた。」との報道を受け、視聴者コミュニティでは運営委員が議論を進め、本日(14日)、運営委員二名が渋谷のNHKに出向き、三通の申し入れ文書を手交しました。その際、経営委員各位には個別に文書の伝達を、また執行部の理事各位にも文書内容を伝えてもらうよう依頼しました。
対応されたお二人の副部長は、本件人事について「新聞報道で初めて知った」とのことでした。(NHK経営委員会 數土文夫委員長宛て文書のみ添付、他にNHK経営委員各位宛て、NHK監査委員各位宛てを手交)
【質疑など】
初めに醍醐共同代表から申し入れ文書の趣旨説明を行い、その後、質疑をしました。
Q:この人事が実現すると、NHKとして前代未聞になる。もしもNHKが知っていてこの人事を認めるなら「メディアとして鈍感だなー!」との声が寄せられている。申し入れ趣旨を踏まえ、キチント対応していただきたい。
Q:監査委員は、経営委員会のガバナンスを強化する為だったハズ。このような委員長の兼任を黙過することがあってはならない。経営委員会では事前に委員の兼任などの話をしないのか?
A:私は承知していない。
Q:執行部である理事会として、静観するのか?
A:この度の申し入れを受けて、お答えをさせていただく。
Q:京都の会や全国連絡会なども申し入れの準備をしていると聞くが既にあったか?
A:聞いていない。調べる。
Q:経営委員が今回のように新たに役員を兼任する場合、会議の日程上の問題も生じる。委員会の了解なしに本人の意向だけで決まるものか?このような「委嘱願い」をNHKは組織としてどこで受けるのか?
A:確かめてみる。
以上
2012年5月14日
NHK経営委員会 委員長 數土文夫 様
東京電力の社外取締役への貴殿の就任の撤回を求める質問・要望書
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ 共同代表 湯山哲守・醍醐 聰
拝啓 貴殿におかれましては日頃よりNHK経営委員長としての重責を担ってご尽力を下さり、厚くお礼申しあげます。
新聞報道によれば、政府は5月11日、実質国有化される東京電力の社外取締役の一人として、貴殿を起用する方針を固め、東京電力は本日、2012年3月期決算と併せて、本件人事を発表すると伝えられています。そして、来る6月下旬に開かれる同社の株主総会後の取締役会で貴殿は現在のNHK経営委員長の職にとどまったまま、正式に社外取締役に就任される予定と報道されています。
しかし、貴殿がNHK経営委員長の職と兼任の形で東京電力の社外取締役に就任されることについて、当会は以下述べる理由から、これを断じて認めるわけにはいきません。
会社法上、社外取締役の職務は会社の業務の執行ではなく、いわゆる独立役員として業務執行取締役の職務の遂行を監視し監督することにあるとされています。その一方で、社外取締役は引き受け手がなく、著名人の名誉職的な役職と評されたりしています。しかし、だからといって、今回、貴殿が東京電力の社外取締役に就任されることを是認したり、就任に伴う問題点を軽視したりすることは到底できません。
1.まず指摘すべき重大な問題は、NHK経営委員長の職と東京電力の社外取締役の職は、それぞれの職責の重さ、時間的精神的な負担の面から両立は不可能だということです。公共放送・NHKの最高意思決定機関の長の職責の重さは改めて説明をするまでもありません。他方、社外取締役の職務も取締役であることに変わりはなく、他の取締役と同じように善管注意義務・忠実義務・内部統制構築義務・監督義務等を課され、相応の報酬を受けます。このうち、会社に対する損害賠償責任に関しては株主総会の決議によって軽減が可能とされているとはいえ、報酬の2年分が最低責任限度とされ、それを超える範囲内では他の取締役と責任を共有する立場にあります。
具体的に言えば、社外取締役の職務は、取締役会への出席にとどまらず、報酬・指名・監査委員会や各種経営会議への出席、経営陣との打ち合わせ、投資家・取引銀行・取引証券会社等に対する会社説明会への出席、監査法人との報告会への出席等、枚挙にいとまがありません(日本取締役協会『社外取締役の導入実態調査 2011年』参照)。これを見ただけでも兼任となれば、兼任先の業務遂行に相当な負担を要することは明らかです。
しかも、今回の貴殿の兼任先は一民間企業ではなく、福島原発事故の完全収束に向けた取り組み、原発事故被災者に対する損害賠償、原発再稼働問題、原発施設が稼働ゼロとなった状況での電力の安定供給といった一国規模での最重要課題を抱えた東京電力です。このように重大な課題が山積する東京電力のコ-ポレート・ガバナンスを有効に機能させる上で社外取締役に求められる職責の重さを考えた時、NHK経営委員長の職にある貴殿が東京電力の社外取締役を兼務できるものでないことは常識に照らして自明です。それでも貴殿が東京電力の社外取締役を引き受けられるとなれば、「NHK経営委員長の職務とはそれほど楽なのか」と評されても致し方ありません。
2.しかし、問題は兼務に伴う時間的精神的負担の大きさにとどまりません。NHK経営委員長としての職責と東京電力の社外取締役に求められる職責がそもそも相反するという点が重大です。このことは2つの面から指摘できます。
一つは、東京電力が、福島原発事故の完全収束に向けた取り組み、原発事故被災者に対する損害賠償、原発再稼働問題、原発施設が稼働ゼロとなった状況での電力の安定供給といった諸問題について、NHKの極めて重大な取材・報道対象だという点です。NHKの業務執行を監督する立場にある経営委員会の長が、そうした取材先の社外取締役に就任し、相応の報酬を得る一方、善管注意義務・忠実義務等を共有するのは、メディアに携わる者の基本というべき非当事者原則に真っ向から反し、経営委員会の職務遂行の公正性に対する視聴者の信頼を根底から覆すことは明らかです。
もう一つは、東京電力が政府の実質的な支配下に置かれる会社になるという点です。貴殿がそうした会社の社外取締役に就任され、取締役会の議決に加わって、その決議に係る責任を分有する行為は、貴殿が政府の意思決定と密接に関わることを意味します。そうした貴殿が政治からの独立を生命線とするNHKを監督する経営委員長の職にとどまることは結局、NHKあるいはNHK経営委員会の政治からの自立に関する視聴者の信頼を大きく損なうことは、これまた明らかです。貴殿はこの点をどう認識しておられるのでしょうか?
以上から、当会は貴殿に対して、次のことを質問もしくは申し入れをいたします。
1.(質問) 上記の理由により、NHK経営委員会の長の職責と東京電力の社外取締役の職責は両立しがたく、両者は相反するという当会の指摘について貴殿はどのように受け止められるか、お答え下さい。
2.(申し入れ)貴殿がNHK経営委員長の職にとどまる意思を持たれているのであれば、それとの両立を期し難い東京電力の社外取締役への就任を辞退されること。あるいは、既に、就任を受諾されたのであれば、それを撤回されること。
3.(申し入れ) 貴殿が東京電力の社外取締役への就任を受諾される意思が固いのであれば、それとの両立を期し難いNHK経営委員長ならびに経営委員の職を自ら辞されること。
ご多用のこととは存じますが、以上3点の質問ないしは申し入れについて、ご回答を2012年5月24日までに下記あてに書面でお送り下さるよう、お願いいたします。
敬具
付記
趣旨同文の申し入れ文書を枝野幸男・経済産業大臣、川端達夫・総務大臣、NHK経営委員各位、NHK監査委員各位、西澤俊夫・東京電力社長宛てにも送付しました。
2012年5月15日(火)午後5時6分14秒
内容は、専門的であるが、兼任の物理的不可能性と東電と政府の軍門に下ることはNHKの政治的独立性を損ねる、ということである。だから、就任するなら、経営委員長を辞任しろ、それが嫌なら、辞退しろ、どっちか、ハッキリしろ、ということである(笑)。
東京電力の社外取締役への貴殿の就任の撤回を求める質問・要望書申し入れ(報告)
2012年5月14日
日時:5月14日 11時から約30分間
NHK対応:視聴者事業部 視聴者部 山本健一副部長
〃 〃 米森公二副部長
参加者:醍醐共同代表、渡邉運営委員
【概要】
11日深夜、「政府と東京電力は11日、東電の社外取締役にJFEホールディングス元社長でNHK経営委員長の数土文夫氏を充てる方針を固めた。」との報道を受け、視聴者コミュニティでは運営委員が議論を進め、本日(14日)、運営委員二名が渋谷のNHKに出向き、三通の申し入れ文書を手交しました。その際、経営委員各位には個別に文書の伝達を、また執行部の理事各位にも文書内容を伝えてもらうよう依頼しました。
対応されたお二人の副部長は、本件人事について「新聞報道で初めて知った」とのことでした。(NHK経営委員会 數土文夫委員長宛て文書のみ添付、他にNHK経営委員各位宛て、NHK監査委員各位宛てを手交)
【質疑など】
初めに醍醐共同代表から申し入れ文書の趣旨説明を行い、その後、質疑をしました。
Q:この人事が実現すると、NHKとして前代未聞になる。もしもNHKが知っていてこの人事を認めるなら「メディアとして鈍感だなー!」との声が寄せられている。申し入れ趣旨を踏まえ、キチント対応していただきたい。
Q:監査委員は、経営委員会のガバナンスを強化する為だったハズ。このような委員長の兼任を黙過することがあってはならない。経営委員会では事前に委員の兼任などの話をしないのか?
A:私は承知していない。
Q:執行部である理事会として、静観するのか?
A:この度の申し入れを受けて、お答えをさせていただく。
Q:京都の会や全国連絡会なども申し入れの準備をしていると聞くが既にあったか?
A:聞いていない。調べる。
Q:経営委員が今回のように新たに役員を兼任する場合、会議の日程上の問題も生じる。委員会の了解なしに本人の意向だけで決まるものか?このような「委嘱願い」をNHKは組織としてどこで受けるのか?
A:確かめてみる。
以上
2012年5月14日
NHK経営委員会 委員長 數土文夫 様
東京電力の社外取締役への貴殿の就任の撤回を求める質問・要望書
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ 共同代表 湯山哲守・醍醐 聰
拝啓 貴殿におかれましては日頃よりNHK経営委員長としての重責を担ってご尽力を下さり、厚くお礼申しあげます。
新聞報道によれば、政府は5月11日、実質国有化される東京電力の社外取締役の一人として、貴殿を起用する方針を固め、東京電力は本日、2012年3月期決算と併せて、本件人事を発表すると伝えられています。そして、来る6月下旬に開かれる同社の株主総会後の取締役会で貴殿は現在のNHK経営委員長の職にとどまったまま、正式に社外取締役に就任される予定と報道されています。
しかし、貴殿がNHK経営委員長の職と兼任の形で東京電力の社外取締役に就任されることについて、当会は以下述べる理由から、これを断じて認めるわけにはいきません。
会社法上、社外取締役の職務は会社の業務の執行ではなく、いわゆる独立役員として業務執行取締役の職務の遂行を監視し監督することにあるとされています。その一方で、社外取締役は引き受け手がなく、著名人の名誉職的な役職と評されたりしています。しかし、だからといって、今回、貴殿が東京電力の社外取締役に就任されることを是認したり、就任に伴う問題点を軽視したりすることは到底できません。
1.まず指摘すべき重大な問題は、NHK経営委員長の職と東京電力の社外取締役の職は、それぞれの職責の重さ、時間的精神的な負担の面から両立は不可能だということです。公共放送・NHKの最高意思決定機関の長の職責の重さは改めて説明をするまでもありません。他方、社外取締役の職務も取締役であることに変わりはなく、他の取締役と同じように善管注意義務・忠実義務・内部統制構築義務・監督義務等を課され、相応の報酬を受けます。このうち、会社に対する損害賠償責任に関しては株主総会の決議によって軽減が可能とされているとはいえ、報酬の2年分が最低責任限度とされ、それを超える範囲内では他の取締役と責任を共有する立場にあります。
具体的に言えば、社外取締役の職務は、取締役会への出席にとどまらず、報酬・指名・監査委員会や各種経営会議への出席、経営陣との打ち合わせ、投資家・取引銀行・取引証券会社等に対する会社説明会への出席、監査法人との報告会への出席等、枚挙にいとまがありません(日本取締役協会『社外取締役の導入実態調査 2011年』参照)。これを見ただけでも兼任となれば、兼任先の業務遂行に相当な負担を要することは明らかです。
しかも、今回の貴殿の兼任先は一民間企業ではなく、福島原発事故の完全収束に向けた取り組み、原発事故被災者に対する損害賠償、原発再稼働問題、原発施設が稼働ゼロとなった状況での電力の安定供給といった一国規模での最重要課題を抱えた東京電力です。このように重大な課題が山積する東京電力のコ-ポレート・ガバナンスを有効に機能させる上で社外取締役に求められる職責の重さを考えた時、NHK経営委員長の職にある貴殿が東京電力の社外取締役を兼務できるものでないことは常識に照らして自明です。それでも貴殿が東京電力の社外取締役を引き受けられるとなれば、「NHK経営委員長の職務とはそれほど楽なのか」と評されても致し方ありません。
2.しかし、問題は兼務に伴う時間的精神的負担の大きさにとどまりません。NHK経営委員長としての職責と東京電力の社外取締役に求められる職責がそもそも相反するという点が重大です。このことは2つの面から指摘できます。
一つは、東京電力が、福島原発事故の完全収束に向けた取り組み、原発事故被災者に対する損害賠償、原発再稼働問題、原発施設が稼働ゼロとなった状況での電力の安定供給といった諸問題について、NHKの極めて重大な取材・報道対象だという点です。NHKの業務執行を監督する立場にある経営委員会の長が、そうした取材先の社外取締役に就任し、相応の報酬を得る一方、善管注意義務・忠実義務等を共有するのは、メディアに携わる者の基本というべき非当事者原則に真っ向から反し、経営委員会の職務遂行の公正性に対する視聴者の信頼を根底から覆すことは明らかです。
もう一つは、東京電力が政府の実質的な支配下に置かれる会社になるという点です。貴殿がそうした会社の社外取締役に就任され、取締役会の議決に加わって、その決議に係る責任を分有する行為は、貴殿が政府の意思決定と密接に関わることを意味します。そうした貴殿が政治からの独立を生命線とするNHKを監督する経営委員長の職にとどまることは結局、NHKあるいはNHK経営委員会の政治からの自立に関する視聴者の信頼を大きく損なうことは、これまた明らかです。貴殿はこの点をどう認識しておられるのでしょうか?
以上から、当会は貴殿に対して、次のことを質問もしくは申し入れをいたします。
1.(質問) 上記の理由により、NHK経営委員会の長の職責と東京電力の社外取締役の職責は両立しがたく、両者は相反するという当会の指摘について貴殿はどのように受け止められるか、お答え下さい。
2.(申し入れ)貴殿がNHK経営委員長の職にとどまる意思を持たれているのであれば、それとの両立を期し難い東京電力の社外取締役への就任を辞退されること。あるいは、既に、就任を受諾されたのであれば、それを撤回されること。
3.(申し入れ) 貴殿が東京電力の社外取締役への就任を受諾される意思が固いのであれば、それとの両立を期し難いNHK経営委員長ならびに経営委員の職を自ら辞されること。
ご多用のこととは存じますが、以上3点の質問ないしは申し入れについて、ご回答を2012年5月24日までに下記あてに書面でお送り下さるよう、お願いいたします。
敬具
付記
趣旨同文の申し入れ文書を枝野幸男・経済産業大臣、川端達夫・総務大臣、NHK経営委員各位、NHK監査委員各位、西澤俊夫・東京電力社長宛てにも送付しました。
2012年5月15日(火)午後5時6分14秒
NHKの変質が加速した
醍醐聡・東大名誉教授からのメイルで、NHK経営委員長・数土文夫氏が、東電の社外取締役を兼任することを知らされた。昨夜のことであった。その時、私は、事の重大性を理解していなかった。
本日のNHKニュース7及び9で、それを知った。
NHKは、それでなくとも、体制寄りの公共放送であり、巧妙に事実を隠蔽し、世論を誤導する。
本日のニュース7で、福井県おおい町議会の全員協議会で、大飯原発3・4号機の再稼働問題が取り上げられ、最初に、字幕無しで、反対の意見を述べた、日本共産党の猿橋巧町議の反対発言が紹介された後、賛成派を代表した町議の賛成意見が紹介された後、議長の発言に従って、12名の町議のうち、反対の猿橋巧町議以外の11名の町議が起立し、再稼働が決議された事実が報道された。
猿橋巧町議は、右側の真ん中に座っており、起立決議の際、座っていたから、見えなかったが、それは、NHKが、見えないように撮影したからに他ならない。たった一人反対意見を述べ、起立しなかったのであるから、当然目立つわけで、それを、別に隠す必要はなかった。
ここで、NHKは、少なくとも、全員協議会で、たった一人ではあっても、反対した議員を紹介した点は、評価出来る。しかし、述べたように、字幕無しで、何処の政党に所属するどんな名前の議員であるか隠蔽したままの報道であった点は、ネットで配信した事実と重ねて、犯罪的である。
福島原発の被害者は、大震災の被害者とともに、今なお、全国に散らばり、避難生活を余儀なくされている。原発で潤った事実はあったにしても、故郷を追われた事実に変わりはなく、また、管政権の初動の遅れの結果、放射性物質が拡散する方向に避難させられ、もって、被爆させられた。
その事実を一方で報道しながら、他方では、焦眉の的となっている大飯原発再稼働問題の鍵を握る地元中の地元自治体の議会での議論を正確に報道しないなど、もってのほかであって、この事実は、冒頭に述べた数土文夫・経営委員長の東電社外取締役兼任の動きが原因だと断定出来る。野田政権は、裏でこそこそやるのではなく、表で堂々と、NHKを使って原発推進報道を行う決意をしたのである。
だから、情報を持たない一般国民を、NHKが、誤導することは、たやすいことである。
また、NHKは、7時のニュースでは、日本共産党の猿橋巧町議の画像と発言は流したが、9時のニュースでは、意図的に省略し、全員協議会で再稼働が決定し、時岡町長に決議文を手渡す新谷欣也議長の映像を流した。まるで、誰も反対しなかったかのように、見事に、描いた。
9時のニュースでそれを確認した後、即座に、ふれあいセンターに電話し抗議しておいた。受け付けた若い女性は、録画を確認した後、伝えると述べた。
政治はダイナミックに動いている。政府は、夏の節電対策を始めた。大飯原発を動かさないことを前提にした動きである。泊原発を停止に追い込むことに成功した国民が、次にやるべきことは、大飯原発を動かさないことである。そして、この夏を節電で乗り切り、原発がなくても、経済も生活も滞りなく行えることを証明し、既に動き出しているエネルギー政策の転換に向けて、世論を集中させることである。99の自治体が脱原発を経産副大臣に要請した。京都府と滋賀県両知事は、時岡町長や西川知事を牽制し続けている。時岡も西川も、本音としては、再稼働させたいのだが、彼らも橋下でさえ、再稼働に反対するから、国に説得するよう、下駄を預けたままなのである。
沖縄祖国復帰問題でもNHKは犯罪的である。NHKの都合の良い学者や民間人を登場させ、日本共産党や沖縄社会大衆党などいないかの如くである。名護市市長・稲嶺進氏や元宜野湾市長・伊波洋一氏は決して登場させない。本日のクローズアップ現代でも、沖縄県民とそれ以外の本土に住む人々とを対立させる世論調査を意図的に流している。あれでは、沖縄県民の大部分が本土の人々を信用していないように映る。沖縄県民の問題は、日本国民全体の問題であり、彼らの問題を解決するためには、彼ら単独でいくら集会を開いても埒は明かない。沖縄県民と彼らを除く日本国民との間には、確かに、不幸な歴史がある。侵略された歴史があると同時にその中で封建制度を打ち破るために日本という民族に帰属する必要もあった。最後に、私は、アメリカは、太平洋戦争に突入する前から、沖縄を占領するつもりでいたと考えている。虎視眈々と。
2012年5月15日(火)午前0時46分20秒
本日のNHKニュース7及び9で、それを知った。
NHKは、それでなくとも、体制寄りの公共放送であり、巧妙に事実を隠蔽し、世論を誤導する。
本日のニュース7で、福井県おおい町議会の全員協議会で、大飯原発3・4号機の再稼働問題が取り上げられ、最初に、字幕無しで、反対の意見を述べた、日本共産党の猿橋巧町議の反対発言が紹介された後、賛成派を代表した町議の賛成意見が紹介された後、議長の発言に従って、12名の町議のうち、反対の猿橋巧町議以外の11名の町議が起立し、再稼働が決議された事実が報道された。
猿橋巧町議は、右側の真ん中に座っており、起立決議の際、座っていたから、見えなかったが、それは、NHKが、見えないように撮影したからに他ならない。たった一人反対意見を述べ、起立しなかったのであるから、当然目立つわけで、それを、別に隠す必要はなかった。
ここで、NHKは、少なくとも、全員協議会で、たった一人ではあっても、反対した議員を紹介した点は、評価出来る。しかし、述べたように、字幕無しで、何処の政党に所属するどんな名前の議員であるか隠蔽したままの報道であった点は、ネットで配信した事実と重ねて、犯罪的である。
福島原発の被害者は、大震災の被害者とともに、今なお、全国に散らばり、避難生活を余儀なくされている。原発で潤った事実はあったにしても、故郷を追われた事実に変わりはなく、また、管政権の初動の遅れの結果、放射性物質が拡散する方向に避難させられ、もって、被爆させられた。
その事実を一方で報道しながら、他方では、焦眉の的となっている大飯原発再稼働問題の鍵を握る地元中の地元自治体の議会での議論を正確に報道しないなど、もってのほかであって、この事実は、冒頭に述べた数土文夫・経営委員長の東電社外取締役兼任の動きが原因だと断定出来る。野田政権は、裏でこそこそやるのではなく、表で堂々と、NHKを使って原発推進報道を行う決意をしたのである。
だから、情報を持たない一般国民を、NHKが、誤導することは、たやすいことである。
また、NHKは、7時のニュースでは、日本共産党の猿橋巧町議の画像と発言は流したが、9時のニュースでは、意図的に省略し、全員協議会で再稼働が決定し、時岡町長に決議文を手渡す新谷欣也議長の映像を流した。まるで、誰も反対しなかったかのように、見事に、描いた。
9時のニュースでそれを確認した後、即座に、ふれあいセンターに電話し抗議しておいた。受け付けた若い女性は、録画を確認した後、伝えると述べた。
政治はダイナミックに動いている。政府は、夏の節電対策を始めた。大飯原発を動かさないことを前提にした動きである。泊原発を停止に追い込むことに成功した国民が、次にやるべきことは、大飯原発を動かさないことである。そして、この夏を節電で乗り切り、原発がなくても、経済も生活も滞りなく行えることを証明し、既に動き出しているエネルギー政策の転換に向けて、世論を集中させることである。99の自治体が脱原発を経産副大臣に要請した。京都府と滋賀県両知事は、時岡町長や西川知事を牽制し続けている。時岡も西川も、本音としては、再稼働させたいのだが、彼らも橋下でさえ、再稼働に反対するから、国に説得するよう、下駄を預けたままなのである。
沖縄祖国復帰問題でもNHKは犯罪的である。NHKの都合の良い学者や民間人を登場させ、日本共産党や沖縄社会大衆党などいないかの如くである。名護市市長・稲嶺進氏や元宜野湾市長・伊波洋一氏は決して登場させない。本日のクローズアップ現代でも、沖縄県民とそれ以外の本土に住む人々とを対立させる世論調査を意図的に流している。あれでは、沖縄県民の大部分が本土の人々を信用していないように映る。沖縄県民の問題は、日本国民全体の問題であり、彼らの問題を解決するためには、彼ら単独でいくら集会を開いても埒は明かない。沖縄県民と彼らを除く日本国民との間には、確かに、不幸な歴史がある。侵略された歴史があると同時にその中で封建制度を打ち破るために日本という民族に帰属する必要もあった。最後に、私は、アメリカは、太平洋戦争に突入する前から、沖縄を占領するつもりでいたと考えている。虎視眈々と。
2012年5月15日(火)午前0時46分20秒
メル友の息子の門出
お世話になったメル友の息子が、どうやら、自立したようだ。
彼女のブログに、以下のような、詩が、掲載され、英訳も添えられた。
この岸を 離れて遠き 荒波に 漕ぎ出でし子の 命煌く
このまま翻訳すると、ややこしくなるので、私は、以下のように、簡略して、彼女の息子の門出を祝った。
All the best my son, sailing for troubled waters !
All the best! は、小学館RandomHouse英語辞典に掲載されていた慣用句であり、幸あれ、健康〔成功〕を祈る、お元気で、という意味である。
メル友は、詩の最後を、命煌く、で、結び、息子の門出を祝ったが、私は、長淵剛の曲「乾杯」にあった歌詞「幸あれ」を思い出し、検索をかけたら出てきたので、文法を無視して、英訳した。
彼女が使った「troubled water(荒波)」は、Simon & Garfunkel が、1970年に発表した「Bridge over Troubled Water(明日に架ける橋)」でも使われている。
アメリカ人詩人・アーサー・ビナードは、Bob Dylan の曲「Forever Young」を「旅立ちの日」と翻訳し、現在、Wikipediaで紹介されている「いつまでも若く」を、完全な誤訳だと断言している。
曲の題名は詩の内容と必ずしも一致しない、と、言っているのであり、詩の内容からは、旅立ちの日と翻訳すべきであり、いつまでも若く、などと、翻訳すると、アメリカで、この曲が歌われている場面と符合しない、と、述べている。
このように、文化の違いや溝は大きいのであって、翻訳に当たっては、余程慎重にならないと誤訳してしまう。
私が、博士論文で、provision や、reserve を、会計学の大御所連中が平気で訳しているように、引当金や準備金と翻訳しなかったのは、この会計学上の概念が、まだ、未確定な段階で、多様な使われ方をしており、会計研究公報でも、議論の対象になっていたからに他ならない。日本の会計学はアメリカ会計学を出自としているから、ならば、翻訳に当たっては、会計研究公報の全てに目を通してからにして貰いたいものである。
Forever Young が、旅立ちの日と翻訳出来るのであれば、メル友の息子への贈り物にどうだろうか?
アーサー・ビナード氏によれば、この曲は、コンサートの旅路にあったBob Dylanが、息子を思って自然に出てきた詩に曲を付けたそうである。
息子の旅立ちと共に、メル友の人生にも、また、一つの節目が出来た。彼女と私とは政治的見解を異にするが、どういうわけか、ネットで繋がり、躁転した時に教えて貰ったりして、お世話になった。その後は、彼女のブログに投稿される英語の添削のみの繋がりになっているが、表面的には幸せな人生を送っているようである。少なくとも病気がぶり返すことはない。
2012年5月14日(月)午前0時28分28秒
彼女のブログに、以下のような、詩が、掲載され、英訳も添えられた。
この岸を 離れて遠き 荒波に 漕ぎ出でし子の 命煌く
このまま翻訳すると、ややこしくなるので、私は、以下のように、簡略して、彼女の息子の門出を祝った。
All the best my son, sailing for troubled waters !
All the best! は、小学館RandomHouse英語辞典に掲載されていた慣用句であり、幸あれ、健康〔成功〕を祈る、お元気で、という意味である。
メル友は、詩の最後を、命煌く、で、結び、息子の門出を祝ったが、私は、長淵剛の曲「乾杯」にあった歌詞「幸あれ」を思い出し、検索をかけたら出てきたので、文法を無視して、英訳した。
彼女が使った「troubled water(荒波)」は、Simon & Garfunkel が、1970年に発表した「Bridge over Troubled Water(明日に架ける橋)」でも使われている。
アメリカ人詩人・アーサー・ビナードは、Bob Dylan の曲「Forever Young」を「旅立ちの日」と翻訳し、現在、Wikipediaで紹介されている「いつまでも若く」を、完全な誤訳だと断言している。
曲の題名は詩の内容と必ずしも一致しない、と、言っているのであり、詩の内容からは、旅立ちの日と翻訳すべきであり、いつまでも若く、などと、翻訳すると、アメリカで、この曲が歌われている場面と符合しない、と、述べている。
このように、文化の違いや溝は大きいのであって、翻訳に当たっては、余程慎重にならないと誤訳してしまう。
私が、博士論文で、provision や、reserve を、会計学の大御所連中が平気で訳しているように、引当金や準備金と翻訳しなかったのは、この会計学上の概念が、まだ、未確定な段階で、多様な使われ方をしており、会計研究公報でも、議論の対象になっていたからに他ならない。日本の会計学はアメリカ会計学を出自としているから、ならば、翻訳に当たっては、会計研究公報の全てに目を通してからにして貰いたいものである。
Forever Young が、旅立ちの日と翻訳出来るのであれば、メル友の息子への贈り物にどうだろうか?
アーサー・ビナード氏によれば、この曲は、コンサートの旅路にあったBob Dylanが、息子を思って自然に出てきた詩に曲を付けたそうである。
息子の旅立ちと共に、メル友の人生にも、また、一つの節目が出来た。彼女と私とは政治的見解を異にするが、どういうわけか、ネットで繋がり、躁転した時に教えて貰ったりして、お世話になった。その後は、彼女のブログに投稿される英語の添削のみの繋がりになっているが、表面的には幸せな人生を送っているようである。少なくとも病気がぶり返すことはない。
2012年5月14日(月)午前0時28分28秒


